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2000.11.1
 
 


ISO14000の位置付け…


 ISO14000は有名になった。今では、「環境監査」を知らない研究者・エンジニアはいないだろう。

 実際、ISO14000取得が急速に広がっている。業界の動きもあるが、環境問題を真摯に考えている証拠として、取得を急いでいるようだ。

 この仕組みの普及を主導したのは、実質的にEUだ。直接的に関係することになった欧州企業は、以下の3本柱で環境マネジメントを考えたようだ。
 (1) 環境マネジメント・システムの確立
 (2) 結果(パフォーマンス)の評価
 (3) 監査人による検証と報告公開

 認証を受ける日本企業から見れば、(3)が制度の根幹に映るが、本質的なものは(1)である。永続的に動く仕組みを企業内に作る考え方が重要なのだ。
 そして、この仕組みの要石が、トップの「環境方針」作成である。企業が外部に対して明確な方針を提起するシステムなのだ。
 決して、「お墨付き」取得のために頑張る仕組みではない。このことは、ISO14000が単なる環境監査で終わらず、拡張していく可能性が高いといえる。
 つまり、企業のマネジメントの仕組みを透明化させ、どのような思想で経営を進めるつもりかを、外に発信させようというものだ。ゆくゆくは、品質管理(ISO9000)を始めとする他の機能も統合させたマネジメント・システムに発展するものと見るべきだ。

 この流れを、研究開発の視点で翻訳するとどうなるか。
 インベスターだけでなく、社会に対して、どのような方針で研究開発を進めるつもりなのかを発信すべきであり、その方針からズレないよう的確なマネジメント体制を敷くべき、と言うことになろう。ということは、「研究開発をなんのためにやるのか?」に答えられる哲学が要求される。まずは、思想ありきの時代が遠からず来る。そうなると、思想なきモノつくり企業は失格の烙印を押されかねまい。


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