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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2016.11.17 ■■■

巨大墳墓の存在を示唆

よくわからぬ墓の話が収載されている。

漢平陵王墓,墓多狐。
狐自穴出者,皆毛上灰。
魏末
有人至狐穴前,
得金刀鑷、玉唾壺
[卷十三 屍]

山東 章丘に漢 済南王こと劉辟光[n.a.-B.C.154年]と推定される危山兵馬俑墓がある。
伝説に基づく比定のようだ。俗称、鐵頂墓だが、平陵王墓とされていたという。
劉辟光は呉楚七国の乱に同調し、漢に造反。破れて自殺。その後、漢 景帝が葬儀を危山で行ったとされる。

どういうことか、その平陵王墓に狐が沢山出るそうな。

しかも、穴から出てくる狐はすべて、
毛の上に灰がついているというのである。

[220-265年]の末のこと。
そんな狐の穴の前で、金刀鑷と玉唾壺が発見された。


鑷は毛抜きで、刀鑷は調髪鬚用道具のこと。金は黄金ではなく、金属の意味だろう。玉も貴石ではなく、玉唾として美しい唾壺を指すと思われる。
日本だと、これだけの情報で、ハハア〜、"狐剃刀"かとなるのではなかろうか。・・・狐をものとも思わない青年が、狐に化かされ、剃髪する羽目に。頭を剃られて血だらけになる民話だが、それに基づいて名づけられたと思われる彼岸花系の植物のこと。(大陸には棲息していない。)

要するに、灰被りの葬儀担当の狐が墓守をしている場所であるから下手に近付くとえらい目に合わされるゾとの警告がなされているとの指摘であろう。

換言すれば、そこには大規模な墓がありそうということ。

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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