表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2016.12.22 ■■■ 湿潤な熱帯山地の油糧植物蔓胡桃とは、油渣果/-/Hodgsoniaであろう。常緑木質藤本。・・・ 蔓胡桃,出南詔。 大如扁螺,兩隔,味如胡桃。 或言蠻中藤子也。 [卷十九 廣動植類之四 草篇] その藤子たる果実には、対になっている大きな天豆のようなやや扁平気味な種が2ツ1組で全6個入っている。胡桃の味がするとの意味は、それがえらく油っこいことを指しているにすぎまい。 雲南の南詔國産との指摘も正しく、南大理白族自治州の熱帯湿潤気候の酸性土壤地に自生している。その周辺であっても、少しでも寒い日がある地には全く生えていない。 現地では、種をローストすると美味とされている。自生種とされているが、挿し木で増える植物だから、栽培されていた可能性もあろう。 ただ、ここらあたりの歴史は中華帝国のご都合で書き換えられたり消去されてきたから、実態をつかむのはほとんど無理と考えた方がよかろう。 西欧に知られるようになったのはえらく遅く、19世紀。類似種がヒマラヤ山地で採取されてから。おそらく、山地の油糧植物。 ついでながら、新華社報道によれば、"油瓜古名蔓胡桃,俗名油渣果,蔡希陶先生取其名為“油瓜”,属木質藤本葫芦科,世界上現僅存一属一種。" [「大理發現記載神奇植物的古代木雕」@2000年11月19日人民網] (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2016 RandDManagement.com |