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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2016.12.23 ■■■

毒消し草果

解毒剤の話。・・・

牧靡,建寧郡烏句山南五百裏,牧靡草可以解毒。
百卉方盛,烏鵲誤食烏喙中毒,必急飛牧靡上,啄牧靡以解也。

  [卷十九 廣動植類之四 草篇]

出典は、道元:「水經注」。
繩水又東,塗水注之,水出建寧郡之牧靡南山,縣、山竝即草以立名。山在縣東北烏句山南五百里,山生牧靡,可以解毒。百卉方盛,鳥多誤食鳥喙,口中毒,必急飛往牧靡山,啄牧靡以解毒也。
  [卷三十六 若水]

場所だが、葛亮南征後の223年に寧州建寧郡が設定された。そこの牧麻(漢代名"牧靡"=部族名"靡莫")に牧靡山があった 。今の、雲南昆明の東北 尋甸回族彝族自治県仁コ鎮[郷扱い]。高山地域である。

そこに生える草が解毒剤になると。
しかも、日本では三大有毒植物の一つとされる、鳥頭/鳥兜[トリカブト]/Monkshood対応。
「烏頭」---名射罔,殺禽獣。味苦,有有毒。---一名奚毒,一名即子,一名烏喙。
  [唐慎微,寇宗,曹孝忠:「證類本草」]

トリカブトの毒は粘膜吸収性があるらしく、摂取後数十秒で心停止する可能性ありとされる。もちろん、解毒方法も全く知られていない。えらく恐ろしい毒である。
そのようなハイリスクがわかっているにもかかわらず、中薬では、弱毒化の上、微量服用によりなんらかの効果を狙うことになる。毒は薬になるという思想からであろう。そこには何の理屈もないが。
種の違いや、生えている土地によって毒成分量はかなり違いそうだが、そのような発想は無いようだ。ただ、根の違いだけはえらく重視している。("烏頭"(母塊根)、"附子"(子根)、"天雄"(独立根)を分けている。毒の量が違うのであろう。)

さて、その解毒剤となるとされている牧靡草だが、はたしてどの様な植物であろうか。

小生は"草果/-/Cao guo[Tsao-ko cardamon]"ではないかと思う。
いかにも鳥が啄みたくなりそうな実だし。

驚いたことに、その実からとった香油には抗菌成分が入っているとの報告がある。
[Yang Yang,et, al.:"Chemical composition and antimicrobial activity of the essential oil of Amomum tsao-ko" J. Sci. Food ana Agriculture 88(12) 2008]

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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