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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.2.23 ■■■

四言両句釈詩[5:青牛と青象]

今村注記を全く欠く箇所。・・・

  色青力劣,
  名香幾重
(夢復)  [續集卷五 寺塔記上]

釈象詩であることははっきりしているから、釈尊が右脇而臥状態での話か。・・・
世尊!如十小牛力不如一大牛力。十大牛力不如一青牛力。十青牛力不如一凡象力。  [曇無讖 譯:「大般涅槃經」卷十一 現病品第六]

もちろん、この先がある訳で、野象、雪山白象、香象、---と強くなって行き、さらに菩薩位置へと。

一方香りの方は、香気が一種の説法を意味しているのだと思われる。
「象」とは、象の"大力"ありということなのは、ほぼ間違いないし。
そんなこともあって、密教で、灌頂に当たっている施設では象形香炉を用いるということかも。

ただ、もともとは、発情期の象が発する強い香りを指していそう。この刺激で、牡象は一気に凶暴化するようだ。(牡は極めて危険なので動物園でも、必ず一頭隔離である。)
それと菩薩イメージは合わないが、ともあれ、象のコンセプトがそのまま菩薩に移行するのである。・・・
香象菩薩。白香象菩薩。  [鳩摩羅什 譯:「維摩詰所説經」卷上 佛国品第一]

青色の話から、香象菩薩話に跳んでいる唐突な印象を与えるが、芳香を放ち青色に関係する菩薩ということであろう。
おそらく、青象のイメージが被さっているのだと思われる。
先の強さの順位では、青象は香象の上位なのである。

両菩薩ともに聞き慣れない名前だが、それなりの位置を占めていたようである。
釈迦如来が獅子座の文殊菩薩と象座の普賢菩薩を脇侍としているように、阿如来も本来は脇侍があり、それが香象菩薩と妙香象菩薩だったらしい。
小生の勘でしかないが、薬師如来+日光/月光菩薩にその地位を簒奪されてしまったのではあるまいか。

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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