表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.3.6 ■■■ 仙藥一覧仙薬とは、文字通り、服用すれば不老長生たる"仙人"になれる薬のことである。なにがされようと"不朽"であるモノから、その気を頂戴することで実現可能との道教思想で貫かれている。そういう観点で、さしずめ「九転の丹」など最高位であろう。[晋 葛洪「抱朴子」金丹篇]「酉陽雑俎」には、なんの解説も無しに、30ほどの仙藥ブランドネームが並ぶが、はたして配合品なのか、あるいは、単品だとしてもその一般名は何か、全くわからぬ。マ、わからぬ秘薬であるから、特別高貴薬として通用するのであろう。教団組織への布施や喜捨に意味を与えぬ宗教家の食い扶持稼ぎの一番のネタであるから、名前一つにしても全身全霊で考え抜いた結果とみるべきもの。 当然ながら、道士毎に毒得手法というか、独特処方があった筈だから、その種類たるや膨大だったに違いない。 経典に羅列されているのは、執筆者に関係する代表的な仙薬が中心だと思われるが、それだけでもたいした数である、成式が、そこからどのように絞り込んで一覧にしたのかは定かでない。都のインテリが好むのはこんな名称ではないか、という情報に過ぎぬのかも。・・・ 仙藥: 鐘山白膠▼ 閬風石腦▼ K河蔡瑚▼ 太微紫麻▼ 太極井泉▼ 夜津日草▼ 青津碧荻▼ 圓丘紫柰▼ 白水靈蛤▼ 八天赤薤▼ 高丘余糧▼ 滄浪青錢▼ 三十六芝▼ 龍胎醴▼ 九鼎魚▼ 火棗交梨▼ 鳳林鳴醅▼ 中央紫蜜▼ 崩嶽電柳▼ 玄郭綺蔥▼ 夜牛伏骨▼ 神吾黄藻▼ 炎山夜日▼ 玄霜絳雪▼ 環剛樹子▼ 赤樹白子▼▼ 徊水玉精▼ 白瑯霜 紫醬・・・Garnetかも。 月醴・・・熱帯淡水魚の鱧的魚も同じ呼び名とか。 虹丹▼ 鴻丹▼。 道教の経典で眺めるとこんな具合になっている。色で、モトネタの違いを表示しておいた。尚、緑色は一部文字違いがある。・・・ 仙方九品 【一日】太和自然龍胎之醴,【二】玉貽瓊液之膏,【三】飛舟紫華流精,【四】味光雲碧之英,【五】九泉虹華神丹,【六】清金液之華,【七】九轉雪霜之丹,【八】九鼎雲英,【九】雲光水石。 流飛、龍胎、飛丹,上藥也; 未光泉、太清,中品也; 九轉、九鼎、雲光,下品也。 : : 太上道君問太上老君 告子靈真絳衍天仙之方,玉庭百芝上清精藥,乃曰: 六亭發華營,玄光八角,風寶雲子,帝坦王闥,金敷英英,廣天黄木,昌城玉藥,夜山火玉,鳳林嗚醉,西瑶瓊酒,中華紫蜜,小陵緑阜。絳津金髓,月精日壽,朱河琅子,蓬山文醜,濯水七莖,崩嶽電柳,北探玄郭之綺葱,仰漱雲山之朱蜜,夜牛伏骨,神吾黄漆,空洞靈爪,四劫一實,冥域麟膽,英山夜日,東探扶桑之丹椹,俯採長淵之文藻,上和九轉之文王,下咽青玄之霞寶,太虚結鏡,素女懷抱,紫此童子,九色鳳腦,太極隱芝,絳樹日道,太上虹李,天漢大草,南官巨珠,西鄉扶老,三梁龍華,靈妃所討,有得食之後天而老,此玉清之所服,太上之所寶,可以上飛景霄,分晨億道,守鎮黄精,朝注九腦,聞玄音以散濁,聽風氣而逐穢矣。 其次 上清幽芝,太上九時有八光,太和斑龍K胎,文虎白沬,出于西丘。七玄飛節,九孔瓊珠,雲漿琳一,玄圖琅腴,鍾山白膠,金生青敷,閬風石腦,K河珊瑚,蒙山白鳳玉肺,靈丘倉鸞金血。東英朱菜,九節交結,太微紫麻,瓊華玉寶,流淵鳳眼,赤河絳璧。北汲太極之井,掇文珠之脉,雲庭神桃昆園平雀,夜精白草,青津碧荻,真官鬱壇,玄都三蓋。左服玉童之光,右抱玉女之氣。上招神光,下飲玄P。仰掘蘭圃之瓊精,俯摘玄丘之紫奈。白水靈蛤,八天赤薤;萬載一生,流光九隊。 有得食之,後天而逝。天帝之所服,太上之寶貴,非太極之所聞,中真之所逮。 其次太極之品,四真常珍。乃曰: 九石鍊煙,丹液玉滋。苟首流珠,琳華石精。丹鑪金液,紫華紅英。太清九轉,五雲之漿。玄霜絳雪,騰躍一黄。東瀛白香,滄浪青錢。商丘餘糧,積石飛田。太虚還丹,太秦玄堅。長光流景,雲童飛天。 此天仙之所服,非陸遊之所聞,山客之所見。又當知九化十變、隱地八衛,乃能廣遊玄空,倒歩天河,乘雲駕龍,陵騰無方。 其次 三十六芝,飛爐鍊煙。陽水月華,五公之腴。 填生五藏,鍊兒易軀。瑰魄雲屑,金粉玉桑,長年益壽,可至萬歲。 其次 玄水雲華之漿,五黄鬱靈,中精千石_飯,衆青朱英、白車飛節之寶,流馬紫木之黄。 一服使人長算千紀,年隨藥進,命與藥遷。 其次下藥, 松栢陰脂,山薑、伏神、菖蒲、門冬、巨勝、黄精、菊花、枸杞、崖蜜、伏苓、桃皮、澤瀉、萎蕤、黄連、升麻、地黄、赤板朱黄,靈飛水桂, 衆物之精,其類煩多, : : 聖君 引青童坐設流霞之漿,赤樹白子,絳木青實。 [「上清道寶經」卷之四 駕乘品第七 ] 君曰:仙道有徊水玉精,服之化而為日。 君曰:仙道有環剛樹子,服之化而為雲。 君曰:仙道有水陽青映,服之化而為石。 君曰:仙道有赤樹白子,服之化而為玉。 君曰:仙道有絳樹青實,服之化為黄金。 : 君曰:昔高丘子殷人也,亦好道,入六景山,積五百二十餘歲,但讀黄素道經,服餌術,後合鴻丹,以得陸仙,遊行五嶽。 [「真誥」卷五 甄命授第一] 玉醴金漿,交梨火棗,此則騰飛之藥,不比于金丹也。 [「真誥」運象二] 學道於 梁山 ,遇 太白真人 ,授以虹丹,能御寒暑。 [晉 葛洪:「神仙傳」王仲都] (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |