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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.3.18 ■■■

紅樓院連句

長安の東北にある長楽坊にある安国寺には朱色の大きな楼閣が聳えていた。睿宗の旧宅"紅樓院"である。僧侶 廣宣が賜わり、白楽天、韓愈、等が訪れる場となっていた。

サロンではもちろんのこと、連句が作られた訳である。・・・
  「紅樓下聯句」
接重城,紅樓切太清。
紫雲連照耀,丹檻郁崢エ。
(廣宣)
榱棟煙虹入,軒窗日月平。
參差五陵晩,分背八川明。
(李益)
松韻風初過,蓮陂浪欲傾。
敬瞻疑諦見,圍繞學無生。
(杜羔)

白楽天はこのような詩を奉じた。・・・
「廣宣上人以應制詩見示因以贈之詔許上人居安国寺紅樓院以詩供奉」 白居易
道林談論惠休詩,一到人天便作師。
香積筵承紫泥詔,昭陽歌唱碧云詞。
紅樓許住請銀鑰,翠輦陪行
惆悵甘泉曾侍從,與君前后不同時。


廣宣の詩とはされてはいないが、・・・
  「紅樓院應制」  (一説)廣宣
紅樓疑見白毫光,寺逼宸居福盛唐。
支遁愛山情謾切,曇摩泛海路空長。
經聲夜息聞天語,爐氣晨飄接御香。
誰謂此中難可到,自憐深院得徊翔。


これらを踏まえ、成式のサロンも、美しい詩を作ろうということになったのであろう。・・・

辭。紅樓連句,隱侯體:

重疊碎晴空,余霞更助紅。
蟾蹤近鵲,鳥道接相風
(善繼)
苔靜金輪路,雲輕白日宮,

 [元和中,帝幸此處。]
壁詩傳謝客,
 [詞人陳至題此院詩雲:“藻非尚寒龍跡在,紅樓初日光通。”]
      門榜占休公

 [廣宣上人住此院,有詩名,號為《紅樓集》。](柯古)

隱侯とは、梁の永明[483-493年]期の詩壇の領袖だった沈約[441-513年]。声調による韻律美を重視する四声八病のルールを確立した。
それに従っての作詩ということのようだ。

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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