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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.4.13 ■■

酉陽雑俎的に山海経を読む

--- 中山経 ---

<中山経>は南山3系統、西山4系統、北山3系統、東山4系統に囲まれた地である河南〜湖北を対象としている。12系統197山とかなり細かく分けている。(従って、湖南、四川、雲貴を思わせる部分も含まれている。後世、万山之祖と称された伏牛山脈の嵩山/少室山+太室山(連天峰:1,512mHigh)@河南登封は山系7の少室之山-泰室之山に該当するのであろう。)

山神としては、人面鳥身、人面獸身、人面豕身、人首神、人面龍神に、龍首鳥身、龍首馬身に加え、特定の名称の神や中央嶽の祠信仰もあらわれており、中央地域なりのバラエティを発揮している。

さらに、獣については詳しい箇所も見受けられる。他では無視されている、豹、虎、犀、象、熊、羆はもとより、鹿類が詳しい。開発が一番進んだ地域であることを示していると解釈すべきかも知れない。情報が知られて、獲り尽くされてしまう訳である。

しかし、注目すべき点は、由来はもちろん、他との連関もまるっきりわからぬ様々な神名ばかり登場すること。中華帝国の天"帝"に関係するのは、"帝之二女"だけのようだ。つまり、"帝"とは無縁の信仰勢力の地ということでは。中央の地とされているにもかかわらずだ。
古学的にはどうなっているのかはわからぬが、「歴兒の冢」とか、「中央嶽の祠」という断片的な記述が残ってはいるものの、中華の核とはいいかねる。しかし、周囲との混交という意味では確かに中央といえそうである。
(山名が多いので割愛。別途、後述する。)
(最後に五蔵山経として1パラグラフがあるが、これもカット。別途、後述する。)

■1 ▲薄=首▲甘棗〜▲鼓鐙 歴兒の冢。
 𤠢的獣・・・文題
 鮪的豪魚・・・赤喙赤尾赤羽
 鮒魚飛魚・・・鮒魚状
 的獣・・・白尾有
■2 ▲濟=首▲W諸〜▲蔓渠 山神は人面鳥身。
 閭, 麋
 
 鳴蛇・・・水棲四翼磬音
 人面化蛇・・・豺身鳥翼蛇行叱呼音
 的獣・・・有角號音
 人面身獣[食人]馬腹・・・嬰兒音
■3 ▲=首▲敖岸〜▲和山 神は泰逢, 熏池, 武羅。
 駕鳥
 僕累, 蒲盧
 飛魚・・・豚状赤文
 黄貝
 白鹿的獣夫諸・・・四角
 鳧的・・・青身朱目赤尾
 熏池▲敖岸
 人面武羅・・・豹文小要白齒穿耳[with]鳴玉鳴
 吉神泰逢・・・虎尾好居の陽出入有光
■4 ▲釐=首▲鹿蹄〜▲玄扈 山神は人面獸身。
 
 羊,  
 赤
  人魚
 馬腸・・・水中
 的獣・・・人目
 的獣・・・有鱗鬣毛
 的獣[食人]犀渠・・・蒼身嬰兒音
■5 ▲薄=首▲苟牀〜▲陽虚 ▲升が冢。
 梟的・・・三目有耳録音
 
■6 ▲縞羝=首▲平逢〜▲陽華 中央嶽の祠信仰。
 馬
 牛,
 
 旋龜・・・鳥首鼈尾判木音
 人魚
 脩辟之魚・・・黽的白喙鴟音
 ・・・長尾丹火赤青喙自呼鳴
 驕蟲・・・二首螫蟲實惟蜂蜜之廬
■7 ▲苦=首▲休輿〜▲大 16神は人面豕身。+人面3首
 三足龜
 鮒的・・・K文
 ・・・居逵蒼文赤尾
 𥂕・・・長距足白對
 帝女女尸▲姑之山→死→
 的獣山膏・・・赤丹火善詈
 的獣文文・・・枝尾反舌善呼
 [多怪風雨]天愚
■8 ▲荊=首▲景〜▲琴鼓 山神は人面鳥身。
 文魚, 鮫魚
 豹, 虎
 閭, , 鹿, 麋, ,
 
 白, , 鴆
 豕
 牛,
 白犀
 人面𧕛・・・羊角虎爪恒遊@雎淵出入有光
 計蒙・・・人身龍首恒遊@淵出入必飄風暴雨
 𧕛・・・人身方面三足
■9 ▲岷=首▲女几〜▲賈超山神は龍首馬身。
 豹, 虎
 犀, 象
 熊, 羆, ,
 閭, 鹿, 麋, 麈, 麋
 
 牛,
 豕
 馬
 白, 鴆, 翰
 竊脂・・・赤身白首禦火
 
 
 蛇, 怪蛇
 的獣𤜣・・・白尾長耳
 的獣
 的獣・・・蒼K一角
 神人・・・@熊之穴
■10 ▲首陽=首▲首〜▲丙 山神は人面龍神。
 跂踵・・・一足
 
■11 ▲荊=首▲翼望〜▲几 山神は人首神。
 豹, 玄豹, 虎
 麋, , 頡
 膜犬的獣𤝻・・・赤喙赤目白尾
 的獣 ・・・虎爪有甲善𤘝
 的獣梁渠・・・白首虎爪
 的獣雍和・・・赤目赤喙黄身
 的獣𧲂・・・黄身白頭白尾
 的獣𤟑・・・赤如丹火
 的獣狙如・・・白耳白喙
 牛,
 鳴蛇, 蛟
 人魚, 大魚
 三足鼈・・・枝尾
 
 雉的・・・恒食蜚
 鵲的嬰勺・・・赤目赤喙白身若勺尾自呼鳴
 鵲的青耕・・・青身白喙白目白尾自叫鳴
 烏的・・・赤足可以禦火
 耕父・・・常遊清之淵出入有光
■12 ▲洞庭=首▲篇遇〜▲栄余山神は龍首鳥身。
 豕, 鹿, 麋, 𪊨
 白蛇, 飛蛇, 怪蛇, 怪蟲
 怪鳥
 的獣・・・白身赤首
 于兒・・・人身身操兩蛇常遊@江淵
 帝之二女・・・常遊@江淵
 怪神・・・載蛇左右手操蛇


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