表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.4.22 ■■■ 酉陽雑俎的に山海経を読む<海内東経>は東北隅〜南が対象。 渤海沿岸から東に向かって出航すると到達する、海の向うの陸地ということになろう。 ・・・朝鮮半島渤海側〜遼東+満州東部 朝鮮半島の神話は、創始者が中華帝国の臣下であるし、陸路で繋がる楽浪郡が設置された地だから、本来的には北方地域にあたるが、この書が書かれた頃の朝鮮半島への陸路は閉鎖されていたのであろう。 朝鮮半島に関しては、すでに、最終巻である補遺的な「海内経」[→]で、"朝鮮"について眺めてみたのでここでは国の名称を再掲しておくだけにしよう。 ---海内東北陬--- 朝鮮(半島) 【鉅燕】・・・強大な国家なのであろう。 燕属国(南側)【蓋國】 燕属国(さらに南側)【倭】 さらに、伝説として誰でもがその名前を知る東海の海に浮かぶ蓬莱山の名前が登場するので、そこらの構造を見ておこう。 ・・・渤海沿岸〜黄海 ---海中--- 列姑射属国【姑射國】 <海中棲> 大蟹 (人面)陵魚・・・手足魚身 大鯾 明組邑 [ご注意] "蓬萊山在海中。大人之市在海中。"はこの版では<海内北経>ではなく、<海内東經>に収録されている。 渤海での蜃気楼を指すとされるが、渤海辺りには当該島嶼は無いことはわかっているので、"北"扱いは妥当ではないとの見方になったのであろう。船山列島辺りでも蜃気楼は見えたであろうから、広大な"東"の海に漂う島と考えるのは理にかなっている。 船山から黒潮に乗ってしまい流されれば、日本列島に漂着する場合もあるから、富士山の存在が伝わっていた可能性もあり、それが蓬莱山イメージに重ねられることは十分ありえよう。 ---海中--- ▲蓬萊山 ---海中--- 大人之市 ---渤海海 琅邪之東--- 琅邪臺 [注]始皇帝が泰山封禅@B.C.219後に設けた。 ▲北側 都州 or 鬱州 韓鴈 始鳩 雷澤@呉の西 (人頭)雷神・・・龍身鼓腹 ▲會稽山@大楚の南 [ご注意] この版では、浙江や湘水辺りは収録されていない。呉や楚の領域は記載されていないのである。従って、極めて簡素な記載になっている。 浙江辺りの情報が収録されている版では、流沙中を含め内陸部の話が入っており、混乱が生じているのは間違いない。それを合理化するために加筆されたのではないかと思われるが、水経の様相を呈している。語られている河川が渤海に注ぐから"東"に記載してあるかのよう。 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |