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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.7.20 ■■■

人影-II(占術)

夢の人影でなく、本当の影をつくって、その状態から吉凶を判断する占いがあるようだ。
自分の影を踏まれると、嫌な感じがすると語る人も少なくないから、結構通用していた占術なのかもしれない。・・・

寶歴中,有王山人,
取人本命日,五更張燈相人影,知休咎。
言人影欲深,深則貴而壽。
影不欲照水、照井及浴盆中,古人避影亦為此。
、短狐、踏影蠱,皆中人影為害。
近有人善炙人影治病者。  
[卷十一 廣知]
宝暦[825-827年]の頃。
王山人のこと。
人の本命日
[(陰陽道)生年と同一の干支である災難日]の当日、五更の第五[午前3時〜午前5時]に燈を張って影を作り、それをもって人相見を行っていた。人の咎/とがを見極めたのである。
その見立てによると、人影が深いほうがよろしいとのこと。深いということは、則、富貴にして長寿を意味するそうだ。
その影だが、水面に映えるとか、井戸あるいは風呂の湯に映ることを好まない。古人は影を避けたものだが、その理由はここにある。
昔のことだが、
[=鋏虫/Earwig, 俗称剪刀蟲]、短狐[有翅膀的甲虫]、踏影蠱[n.a.]は、皆、人の影の中に入ってきて害を与えた。
最近のことだが、ある人が影にお灸をして病を治したという。


(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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