表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.8.4 ■■■ カメレオン的ヤモリ蜥蜴/トカゲ類では、珍しい種が紹介されている。成式の性分からすると、入手して飼育してみたかったろうが、かなわなかったのでは。・・・ 【避役】, 南中名避役,一曰十二辰蟲。 状似蛇醫,腳長,色青赤,肉鬣。 暑月時見於籬壁間, 俗雲見得多稱意事。 其首倏忽更變為十二辰状。 成式再從兄尋常睹之。 [卷十七]廣動植之二 蟲篇] 南方に棲む"避役"は、"十二辰蟲"とも呼ばれている。 (大型の)ヤモリに似た形態で、 (蛇醫=虵医,蠑螈,守宮) 脚が長く、色は青と赤。 鬣/たてがみ的に、頭から背にかけて稜状の肉の突起がある。 暑い時期に、垣[籬]や壁の辺りで見ることができる。 俗説では、 この虫を見ると、意にかなったようになると称されている。 首から上は、忽然と変化し、十二支生肖のようになると言う。 成式の再從兄の尋常はじっくり見たことがあるという。 小生は、カメレオンの1種ではないかと思う。 今村注によれば、"避役"は、嶺南風物誌でもある、段公路:「北戸録」巻一 蛤蚧にでてくる"十二時虫"だろうとのこと。 この名称は、時間帯に合わせ、体色を12色に変えると言う意味だと思うが、実態としては、時間で変わるのではなく、場所を移動すると色代わりするだけのことだと思う。 さらに、道教的にはそれは十二辰としたくなるから、話が変わっただけの話。 段成式は俗説として引用しているだけでなく、親類が実物を見たとしているので、段公路は、12辰現象がはたして本当なのか、実地検証したくなったのだろう。 その結果、過誤であるとの結論に達した訳だ。・・・ 蛤蚧,首如蟾蜍,背浅緑色,上有土黄斑点,若古錦文,長尺余,尾絶短。 其族則守宮、刺蜴、蝘蜓,多居古朩竅間,自呼其名,声絶大。或雲,一年一声,驗之非也。 又有十二時虫,亦其類也。大者一尺,尾長於身,背生鬐鬛,行疾如箭。傳雲,自旦至暮,変十二般色,傷人必死。愚嘗獲一枚,閉於籠中,翫雲,止見変黄褐赤K四色。 一雲,其首随時輙作十二属形,乃言之過也。 ご苦労様でした。 (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |