表紙 目次 | ■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.9.13 ■■■ 易林「續集卷四 貶誤」では、易学の分野で、間違った内容が伝わっていると指摘しているが、残念ながらどういうことか、わからない。・・・焦贛《易林 乾卦》雲: “道渉多版,胡言迷蹇。 澤喑且聾,莫使道通。” 據梁元帝《易連山》,毎卦引《歸藏》鬥圖,立成委化。 《集林》及焦贛《易林 乾卦》卦辭與 ___(?)___ 贛《易林》卦辭同,蓋相傳誤也。 焦贛:「易林」は、易卦"64[2の6乗]"の二乗分の易卦を記載した、膨大な術数書。上記は"乾之:乾"[01/01]に当たるが、それぞれ、このような四言絶句的な4文字4句で記載されている。("乾之:乾"は実は6句で、そのタイプも時にある。3句も。そのような不統一な作品に仕上げる意味はありえぬと考えれば、後世の改竄がかなり加わっているということになろう。) いずれも、何を意味するかは、解釈者次第。もちろん、吉凶判断は無理である。 6句バージョンを見ておこう。(「酉陽雑俎」の上記の4句とは部分的に文字が異なる。)・・・ 道は石の坂を登る。 道陟石阪, 胡人の言葉は吃っている。 胡言連蹇, 通訳も聾唖である。 譯瘖且聾, 道を通行させたりしない。 莫使道通。 拝謁できないように要請した。 請謁不行, 事を求めたところで効は無し。 求事無功。 御籤の言葉のもとはこういうものだったのだろうか。 卦の古代書としては、「連山」、「歸藏」、「周易」の三易が定番。どれにしても、八卦の二乗の易卦"64"。それぞれ、夏で用いた神農作、商で用いた黄帝作、周で用いた文王作とされている。 掌三易之法,一曰連山。二曰歸藏,三曰周易。其經卦皆八,其別皆六十有四。 [「周禮」春官 大卜] (湖北江陵 王家台15号秦墓出土品[@1993年]の竹簡に「歸藏」の文章が記載されており、実在は間違いない。 明〜清の時代に易は盛んで、闢卦更位圖が使われているが、それが古代と同じものかはわからない。) (参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載. 「酉陽雑俎」の面白さの目次へ>>> トップ頁へ>>> (C) 2017 RandDManagement.com |