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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.11.2 ■■■

タマリンド

ホホウ。
藤の実の話か。

フジは豆の仲間であり、莢に実がつまっているが、莢が乾燥すると捻れが発生し、極限までいくと一気に弾けることが知られている。[寺田虎彦:「藤の実」1933年@青空文庫]

実は薄手の円盤形で、食用栽培種でないから、大きさは結構バラツク。
その形がヒトに似ている種があるとは思えないが。・・・

南安有【人子藤】,
紅色,在蔓端有刺,其子如人状。
昆侖燒之集象,南中亦難得。

現ベトナム北部[安南]に棲息し、名前はその実が人間の形なので【人子藤】。もちろん蔓性だが棘がある。花色は紅。
"昆侖"人
[皮膚色黒色人種]は、この実を焼いて象を集めるそうだ。
と言っても、当の南の地域でも、得難いものらしいが。


熱帯性で、絡みつきながら登る蔓に棘がある植物よいえば、、籐/Rattanだが、こちらの実は小さいとはいえ、ヤシの実的であり、表面は鱗状で、ヒトの形状に似ることは考えにくい。

しかし、象の誘因力がある蔓植物というヒントで、この樹木のなんたるかがわかる。

棘が鋭い熱帯性植物の酸豆/タマリンド/Tamarindだろう。

花色は赤部分と黄色の部分がある。ただ、豆は人形とは言い難いが、生食可能な果実の形状は、普通の豆の莢のようには細身ではなく、かなり肥っている。無理すれば、これを人形と言えないこともないかも。

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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