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■■■ 「酉陽雑俎」の面白さ 2017.11.14 ■■■

蝿の大量発生

833年[唐 文宗期 太和=大和]癸丑の異常現象。
イナゴのような蝿の大量発生があったという。三日間続き、10日ほどで消えたという。・・・

太和七年,
河陰忽有蠅蔽天如蝗,止三日,河陽界經旬方散。
有李,時為尉,向予三從兄説。


中華帝国では、蝿、蚊、浮塵子、蝗の大量発生は人為的に発生することも少なくない。
もちろん現代でも、そのような例にはことかかない。雀は害鳥であるから根絶せよと、浅智慧しか無い独裁者が命令したことがある。結果、各地で虫が大量発生。もちろん、各地から、このお蔭で大増収の成果が得られたとの報告があがってくる仕組みである。失敗したと言えば、どのような目にあわされるかはわかりきったこと。
もちろん、そのうち、そのような命令があったことは歴史書から消され、別の話に置き換わる。天子賛美のためには当然のことと考える訳である。

従って、いつの時代も、淡々と、事象だけ記載する人がいるもの。それが何を意味しているかは、一部のインテリ以外には絶対にわからない。

多くの場合、異常と思えるのは、風が吹けば桶屋が儲かるの類なので、因果関係がすぐに見えないからである。

例えば、こんな具合。・・・
都市化が進み、大宴会だらけとなり、河に大量の塵をそのまま流した。
淡水棲の渦鞭毛藻類が大量発生し、酸欠状態に。
魚が大量死し岸辺に打ち上げられたが放置のママ。
それを食す動物がいないので、魚肉の腐敗が始まった。
そこに蝿のウジが大量に発生したが、その天敵はすでに辺りから消されていた。

(参考邦訳) 段成式[今村与志雄 訳]:「酉陽雑俎」東洋文庫/平凡社 1980・・・訳と註のみで、原漢文は非掲載.

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