---デジタルメディアの進展 その2

            MP3で学生運動が起きている。

 海賊版音楽ソフト撲滅のために勢力的に国際的活動を続けてきたIFPIも、2000年に入り、ついにお手上げ状態ではないだろうか。

 一般に違法ソフトは発展途上国が多いと言われてきた。しかし、MP3が本格的に立ちあがってしまったので、米国が最大の違法市場である可能性もでてきた。国際より、米国内の問題の方が深刻だ。
 今や日常的に、インターネット上をデジタル音楽媒体が飛び交っており、違法コピーの数など把握しようもない状態だ。

 当然、音楽産業側(といっても5大企業だが)も海賊版対策に手をこまねいている訳ではないが、社会の動きの方が速いから対応は遅れる。違法行為を摘発して懲罰を下したところで効果は限定的だ。そもそも10億以上ものファイルを対象とする検索ポータルが存在する時代に、インターネット上のパトロールなど行っても徒労に終わろう。音楽産業側には勝ち目が薄い。

 音楽産業側の武器はRIAAによる訴訟だ。
 プレーヤーのRio、MP3.comのインスタント・リスニング・サービス、ナップスターと続けざまに展開してきた。どれも、それ自体では、違法なのか合法なのかの判断がつきにくいものばかりだ。しかし、たとえ勝訴しても問題解決にはつながるまい。というのは、訴えられている対象自体、次々と新しく産まれてきたものばかりであり、今後も新しいアイデアのサービスが続々と登場するからだ。

 問題は、こうした動きに巻き込まれてしまった大学生の反応だ。まだ一部のようだが、「ナップスターを救え」全国運動のサイトが立ちあがってしまった。この動きからみて、MP3は米国の学生層にとっては、すでに生活の一部になっているようだ。
 こうなると、音楽産業は最重要顧客層を相手に戦うことになりかねない。最悪のパターンである。音楽産業は現在の産業構造を保持するだけで、新サービスの提供意欲は無いと映るからだ。

 音楽産業側の変身の動きが遅すぎる。本来は、インターネット化は一大チャンスの筈なのに活かしきれていない。自ら率先して時代の波を作り出すべきなのだ。

 ベンチャーはチャンスに賭けて大胆に動く。例えば、2000年には、マルチメディア・コンテンツのサイトiCastが動き始めた。この先も次々と挑戦が続くだろう。音楽産業は今後も安泰といえるだろうか。
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