---インターネットのインパクト その8

            米国長距離電話事業の没落が始まる。

 2000年8月マイクロソフトはインターネット電話サービスの状況を発表した。
 プログラムソフトのMSN Messenger Service 3.0をリリースして1ヶ月もたたないのに、利用は3百万コール、合計で930万分に達したという。(http://www.microsoft.com/presspass/features/2000/aug00/08-07messenger.asp)

 これは、Net2Phoneのソフトを使ったものだという。このソフトは、1分10セントで米国に電話をかけられるというので、日本でも利用されていた。無料の800番を活用すると便利だとの話しが語られていた。しかし、マイクロソフトが正面きってサービスを始めると、そのインパクトは桁違いに大きい。

 インターネット上では無料電話サービスの経験談があちこちで掲載されている。本当にサービスをしているのか確認した訳ではないから実態はよくわからないが、様々な企業名があがっている。米国やカナダ圏(dialpad, deltathree, phonefree, WowRing等)だけでなく、欧州(pc2call, go2call等)、香港・シンガポール(e001, to800等)でも次々と生まれているようだ。これ以外にも日本向けに運営されているサイトもある。
 これらは企業といってもドット・コム登録サイト名だから、国籍は意味がない。
 例えば、日本で良く知られているMediaRingはシンガポールが本社だが、顧客は世界をカバーしており、通話先は米国・カナダ・中国である。言語も英、仏、独、伊、西、中国、韓国、日本と広く対応している。しかも、ウエブベースなのでソフトウエアも不必要だ。驚くことに、すでに300万人がサービスを利用しているという。(http://www.mediaring.com/jp/valuefone/valuefone.html)

 今回のマイクロソフトの発表数字を見てもわかるが、変化が一挙に進み始めたようだ。

 少なくとも、Net2Phoneの技術を活用して伸びようという動きは急だ。(http://www.net2phone.com/corporate/)
 ・コンパックは最新パソコンのプレサリオにNet2Phoneソフトを搭載する。
 ・ヤフーはNet2Phoneと契約した。
 ・シスコはVoice over IPソフトを本格的に利用するためNet2Phoneと新会社Adir Technologiesを設立した。
 ・LGはNet2Phoneの技術をインターネット電話機、インターネット交換機、家庭ネットワークといった製品に組み込む。

 今までのインターネット電話と称するものはおおむねパソコン対パソコン間だったが、これは普通の電話にパソコンからかけることになる。米国の長距離電話事業会社(AT&T, WorldCom, Sprint)の将来に暗雲がたちこめたのである。コストダウンで対処できる問題ではない。 --- 2000年8月、AT&TはNet2Phoneへ14億ドルを投資した。(http://www.att.com/press/item/0,1354,3200,00.html)
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