---「情報革命」神話の見方 その6

            B2Cベンチャーの苦難が始まった。

 1999年から2000年にかけ、消費者向け電子商取引 B2Cを進めていた米国ベンチャー企業が苦しくなった。

 将来のB2C市場を薔薇色に描いた人が多かったが、現実は厳しい。ビデオ、CD、ペット用品、健康食品、アパレル等、領域を問わず不調なネット企業が続出している。ネット販売に向いていそうな商品であるにもかかわらず、ネット老舗が破綻したりする。もちろん、他の事業に手をだして不調を招いたのではなく、ネット事業そのものの収益性が急速に悪化したのが原因である。
 なかでも、圧巻は、巨大企業の力が通用しなかったことだ。
 ・タイムワーナーやディズニーの子会社であっても、ネット玩具販売が軌道に乗らなかった。結局、事業清算の道を選んだ。
 ・シティバンクのネット専門銀行業も不振だった。誰でもが知るブランドであっても、成功する訳ではないことがわかった。

 当たり前である。90年代、ジャーナリストは、パソコンとアイデアだけで美味しい商売ができると盛んに喧伝した。参入障壁が低くて儲かりそうなら、皆参加してくる。熾烈な競争にならない筈がなかろう。
 競争に勝つためには、低価格化、商品差別化、様々な付加サービス、知名度向上の宣伝広告、等々の金がかかる施策を推進するしかない。手を抜けば、一挙に没落の危険性がある。ビジネス特許のような防衛手段がなければ、画期的アイデアの事業でも、真似られればすぐ低収益化しかねない訳だ。従って、儲かる事業という根拠は薄い。一寸先は闇の業界といえよう。

 このような激甚な競争環境で生き残るには、武器が必要だ。ところが、武器を用意せずに「熱情」に頼って事業を進める企業が多い。成功確率が低くなるのは当然だ。
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