---インターネットのインパクト

            イーデンタルは歯科医療業界を変えられるか?

 厚生省の「歯科医師の需給に関する検討会」で歯科医師の過剰が指摘されたのが98年だ。専門家に指摘されるまでもなく、都会のビジネス街には歯科医院の看板が乱立しているし、廃業したように見える医院も目にしているから、ビジネスマンはとっくの昔に気付いている。
 2000年で歯科医師会メンバーは6万人を数え、平均年齢は50才を超えているそうだが、70才以上の高齢者は6,500人しかいない。当面、過剰が続きそうだ。

 普通に考えれば、需要と供給バランスが崩れたのだから、低収益産業化は避けられない。そうなると、自ら需給調整するか、政府支援を求めるのが、日本の業界の慣行だ。この業界でもそうした動きがおきている。

 しかし、このような対処療法では、サービスの質の低下か、医療費の実質的増加を招きかねない。
 本来は、産業の構造を変え、生産性向上を図るべきだ。ITの力を用いれば、それが可能なのだ。ところが、そうした動きを支援するどころか、一部のコンピュータ・マニアの趣味と見なし無視してきたのが、この社会である。宣伝のパンフレットでしかないホームページを作成して、IT化の波に乗っていると考えるリーダーばかりだ。21世紀を目前にして、ようやくカルテ電子化が承認される状況だ。余りに動きが遅い。生産性をあげようと考える人は今もって少数派なのだ。

 しかし、小数派が業界構造を変えていく動きが登場した。(株)イーデンタルが提供する新しい仕組みだ。(乕田克巨「町から歯医者さんがいなくなる日」情報センター出版局、2000年12月)診療報酬計算・申請手続きの合理化、受け付けやアシスタント業務のサポートは勿論のこと、症例情報の共有による医療の質の向上が少額の投資で可能になる。インターネットを通じて外部サーバーに接続することで、沢山の医院が参加する大きなネットワークを組むことができる。将来は、患者もこのシステムにアクセスできるようになろう。
 こうした仕組みが登場すれば、保険点数の厚い本は売れなくなるし、診療報酬の点数整理業務者も失職するだろう。ITによる、産業界全体のリストラが確実に進む。従って、こうした動きに反対する勢力は根強い。突破できるかどうかは、歯科医の「危機感」にかかっているといえよう。

 歯科医療界での動きは特殊例と見るべきでない。ほとんどの産業に当てはまる。
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