---「情報革命」神話の見方

         日本のネット書店は「IT革命」派ではない。

 インターネット取引といえば、本のネット販売の話が必ず登場する。アマゾンドットコムの日本上陸も報道で大きく取り上げられた。それでは実態はどうなのだろう。

 インターネットで検索すればわかるが、数々のネット本屋が存在している。一見華やかだが、2000年のシェアは1%にさえ達していないのではないか。しかも、急成長の兆しがある訳でもない。これが「IT革命」を目指している国の現実だ。

 しかも、三石玲子氏の専門的評価(「日経マルチメディア」1999年2月号)によれば日本の代表的なウエブの水準は極めて低い。アマゾンの4つ星に対して僅かの2つ星だ。

 そもそも、日本におけるインターネット書店には、業界構造変化をおこすようなインパクトを与える気概はないのかもしれない。既存の仕組み温存のために取り組んでいる可能性さえある。
 この業界は右図のようになっている。ここで業界をしきっているのは「配本」政策を決める大手取次ぎだ。合理的経営を進める大型書店にしても、再販制度で価格設定権はないから、業界を動かすことはできない。必然的に、古くからの業界取引慣習は守られる。従って、返本4割状態に達しても、業界変革の動きはおきない。
 インターネット書店とは、本来はこうした旧態依然とした産業に風穴をあける役割を果たすべきなのだが、前述したように、ほとんど機能していない。
 図に示す大型書店や4大取次ぎが既存のインフラを使って運営しているものが多いから、単にウエブで注文できるというだけで、新たなサービスは検索のみの、従来型運営とほとんど変わらないシステムさえある。インターネット注文形態だが、書店注文と同じ様に在庫回答待ちになるのだ。

 膨大な種類の書籍を管理し、出荷する合理的な仕組み作りを始めない限り、インターネット書店は「IT革命」には繋がらない。
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