---ユビキタス世界の到来

            エシュロンが活躍する。

 欧州議会によって、米・英・加・豪・ニュージーランドの諜報機関が運営するエシュロン(ECHELOM)の実態が明らかになりつつある。(http://www.europarl.eu.int/stoa/publi/166499/execsum_en.htm/)

 エシュロンは世界中の政府・企業の膨大な量の通信を傍受しており、AI技術を駆使して情報検索することで重要情報を発見しているという。米国企業に競合情報をリークすることで、ビジネスで優位に立てるように支援した例も指摘している。エシュロン以外にも同様な活動はあるようで、EUも米国FBIと電子的諜報活動で協力関係にあるという。
 政治的文書であるから、背景を理解しないと意味を間違うし、一般に諜報活動情報は限られているから、真偽の程はわからないので、内容を鵜呑みにすべきではない。しかし、電子諜報活動が日常的に行われていない筈はないから、大枠ではおそらく中間報告書の通りだろう。

 こうした監視活動を人権の観点から反対する人が多いため、電子諜報活動への関与を避けがちである。しかし、この技術は極めて重要なものであり、無視しているとIT技術の新しい波に乗り遅れかねない。先端軍事技術が実用的価値を持つようになると、やがて民間に活用され始めるからだ。エシュロンの技術は、悪い方向に行けば個人監視システムに向かうが、良い方向に向かえば、人の意図を見抜いてコンピュータが自動的に対応するシステム開発に進む。こうなれば、我々の生活は飛躍的に豊かになる。

 よく知られているように、インターネット通信技術の発端は軍事技術だ。破壊的な攻撃でいくつかの通信拠点を失っても通信機能が持続する通信方式の研究開発がインターネット方式を生み出したのである。軍事技術は日常的な要求とは違うから、このような貴重な新技術を生み出すこともある。

 エシュロンからも、ユビキタス時代の基幹技術が生まれる可能性がある。
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