---日本のIT戦略

            誤解を与えるEコマースB2B市場統計

 「日本はインターネットの浸透が遅れているというが、企業間のEコマース市場は十分発達しているから、遅れなどすぐに取り戻せる。心配は杞憂だ。」と語る人がいる。

 よく聞いてみると、このような発言の根拠は、旧通産省の報告書の統計数字のようだ。99年の日本の企業間のEコマース市場規模が12兆円というもの。
 米国は30兆円と示されており、日本市場は4割に達していることになる。この数字だけを眺めれば、誰でも、日本市場も十分発達しているという印象を受けるだろう。

 しかし、こうした数字を挙げること自体が日本の遅れを示していると見るのが、正当ではなかろうか。

 日本の企業間のEコマース市場とは、単なる電子商取引を指している。勿論、定義からいえば問題ない。ところが、日本と米国の電子商取引の実態は全く異なる。日本の電子商取引は書類を電子化し、さらにコンピュータに直結するという、商取引の手間を省くという単純なものである。既存の商取引慣行を温存する仕組みなのだ。
 米国の電子商取引とは、インターネットを介した、新しい取引市場の開設のことを指す。既存の非合理的な取引を排し、市場を広く公開することで、競争を起こして、より合理的な市場を創設しようというのものだ。考え方が根本的に異なる。
 日本では、このような取引市場は微々たる規模でしかない。

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