---ウインドウズの位置付け

            Palladiumの挑戦が始まった。

 サーバ側のセキュリティ対策の動きが進んでいるが、クライアント側でも従来のセキュリティのレベルを越えようとの動きがある。
 2002年、ビル・ゲイツは“Trustworthy Computing”を始めると、Microsoft5万人の従業員にメールを送付し、セキュリティ優先方針を打ち出した。
 このプロジェクトは「Palladium」と呼ばれている。著作権保護を目的として、4年前にスタートしたそうだ。(http://www.microsoft.com/presspass/features/2002/jul02/07-01palladium.asp)

 簡潔に言えば、Palladiumとは次世代Windowsのことだ。今まで、次世代OSをどのような方針で開発するのか、定かでなかったが、次第に内容が見えてきた。
 NEWSWEEKの科学技術主筆・シニア編集者、Steven Levyのスクープによれば、Palladiumの新機能とは、OSレベルでID認識を行うものらしい。(http://stacks.msnbc.com/news/770511.asp?cp1=1) 実現すれば、すべてのデータについて著作権保護が可能になる。作成者の了解なしには、メール転送さえできなくなる。ウイルス侵入の余地もなくなる。

 セキュリティ・信頼性向上のために、全く新しい認証システムの導入を図る訳だ。コンピュータ能力は今後もハイスピードで進歩するから、早晩、従来型セキュリティ対策では対応できなくなくなる、と予測したのだろう。そうなれば、抜本的な変革は避けられない。新認証システム導入の千載一遇のチャンスだ。

 この構想が実現すればセキュリティは飛躍的に向上する。その一方、匿名活動は不可能になり、プライバシー度も極端に低下する。インターネットの安全性確保のために、プライバシーを犠牲にしてまで進める必要があるか、問われることになろう。
 社会の受容度を考えれば、極めて難しいプロジェクトといえよう。

 しかし、成功すれば、その見返りは巨大だ。ID組み込みOSとは、すべての端末を1つのOSに統一することと同義だから、完全な独占を実現できる。Microsoftが、あえて挑戦するのもわかる。
 といっても、世界を支配することになるから、政治問題化は避けて通れまい。米国の安全保障にとって、このようなOSが不可欠かの議論が始まることになろう。

 大統領直属のCritical Infrastructure Protection Boardの副委員長は、MicrosoftのChief Security Officer出身だが、ブッシュ政権は「Palladium」型の構想を支持するだろうか。

 インターネットのインパクト 目次へ

(C) 1999-2002 RandDManagement.com