---ウインドウズの位置付け

  クラスタがLinux化を促進する。

 ついに、Linux市場が開き始めた。

 1990年代後半から、インテル構造のプロセッサー搭載の汎用パソコンを用いたクラスタシステムの導入が始まったが、実用性の見極めがほぼついたようだ。

 1990年代初めに数億円したシステムが、半ばには数千万円のUnixサーバーに置き換わった。これが、多数のパソコンからなるクラスタシステムに替わる。数百万円で同等の機能を発揮できる上、年間数百万円を下らなかったサービス経費も削減できる。
 この価格でこれだけの性能を発揮できるシステムは他にない。

 理屈からいえばOSとして、他のUnixやWindowsを用いたクラスタも構築可能だが、一番安価なインテルプロセッサーとLinuxの仕組みを捨てて、わざわざ高額な仕組みを選ぶ意味は薄い。

 特に、小規模システムや予算が限られているユーザーではメリットが大きい。
 例えば、パソコン16台(+コントロール用1台)をイーサネット100BASE-T/スイッチングハブで結ぶだけでハードが完成するからだ。これに、OSとクラスタ用のソフトがあれば稼動する。この程度のシステムなら即日運用も可能である。

 これ以上の性能を狙うユーザーは、例えば、32台/Myrinetのシステムを構築することになる。台数が多くなるから故障発生の可能性が高くなる。大型化すれば、当然、故障対応が面倒であるし、セットアップにも手がかかる。従って、特定のアプリケーション(データベース)に合わせ、インターフェースをセットしてラックに組み込んだ使い易いパソコン(ブレードタイプ)が提供されることになろう。

 もちろん、数百台を越えるクラスタも、優れたクラスタソフトさえあれば構築可能である。(http://www.tc.cornell.edu/)
 ゲノム解析のような超高速演算にも十分対応できる。今までのような、複数のプロセッサーを搭載した高度な機器と比較すれば、桁違いのコストパフォーマンスが発揮できる。
 しかし、その応用は限定的である。
 クラスタは、ゲノム解析のような分散処理には力を発揮できるが、気候予測のようにデータの相互関与がある計算には不適だからである。また、演算結果を3次元表示する能力は劣るから、特別なクラスターソフトを用いない限り、結局は高額なワークステーションが必要となる。その上、Myrinetのコスト負担も大きい。
 圧倒的安価なシステムではあるが、技術面で突破しなければならない課題はまだ山積している。

 このように見てくると、Linuxは、まずは、同類のOSであるUnixサーバー市場を、インテルのプロセッサーを使った安価なシステムで席巻する可能性が高い。
 中国やインドでは、この流れに乗り、Linuxサーバ導入が急速に進むと思われる。
 こうした世界的な普及の目処が立ってしまえば、WindowsNT系のパソコンサーバは次々とLinuxに代替されるのではなかろうか。

 このような安価なサーバが広がると、基本ハードシステムの安価な構築要求が高まるだろう。おそらく、その要求に応えるべく様々なベンチャーが立ちあがる。

 ・・・といったシナリオが現実性を帯びてきた。成否の鍵を握るのは、データベースソフトのベンダーだろう。本気になってLinux化を後押しすれば、市場は急激に変わり始める。

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