---車IT化の衝撃

  自動車LANの競争(4:統合)

 ボディ系、制御系、エアバック系、マルチメディア系、の4つのLANの状況を眺めた。

 これらは、名前では全く同じLANだが、相互に独立しており、それぞれは個別分野の問題である。・・・と、見ていると、大きく間違う可能性がある。デジタル技術は、常に、統合の可能性を孕んでいるからだ。
 もしも、すべてのLANを同じ技術体系で整理することができれば、産業全体では開発コストが激減する。従って、水面下では、常に統合の動きが起きていると言ってよい。しかし、統合方式が理想論すぎ、実践性を欠けば、経済性のメリットが生まれず、統合は起きない。従って、統合必至とは言いきれないのが現実だ。

 実際、4つのLANを、同一プロトコルで整理することは、夢物語に近い。全くレベルが違うからである。
 しかし、独立しながら統合を図れば、現状の技術でも十分可能だ。それぞれのシステム毎にゲートウエーを設置し、4つのゲートウエーを通じて、全体を統括する中央システムのゲートウエーに繋げればよい。要するに、階層構造を持つLANを作る訳だ。

 こうした階層構造を車用LANの最終目標とするなら、下部構造も変わってくる。
 例えば、ボディ系に繋がるモーター/アクチュエーアーや、センサー用のプロトコルを統一すれば、システムのオーバーヘッドがスリム化でき、全体が簡素で効率的な構造になる。こうすれば、コストメリットも大きい。
 これが「CAN」のプロトコルを活かせる「LIN」である。[Local Interconnect Network]
 単純に考えれば、「CAN」の機能がフルに必要でない箇所に適用する方式ともいえる。このようなメリットがあれば、普及は速い。すでにボディ系ではデファクト・スタンダード化したと言ってよいだろう。 (http://www.lin-subbus.de/)
 制御系でも同様な階層構造が考えられる。エンジン周りでは「LIN」の活用が可能だ。さらに、超高速センシング用のLANも下部構造として別途登場してくることになろう。

 このように、4つの基本LANシステム、(エアバッグは基本とは言いにくいから3.5だが。)上部の統合管掌システム、下部のサブシステム、の全部が構築できて、始めて、車がIT化したといえよう。

 こうなった時、車の産業構造が一変するのではなかろうか。 ・・・ 

   過去記載の
   ・「自動車LANの競争(1:ボディ)」へ (20030122)
   ・「自動車LANの競争(2:制御)」へ (20030123)
   ・「自動車LANの競争(3:マルチメディア)」へ (20030124)

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