---ウインドウズの位置付け

  日本ではLinux浸透が遅れる。

 米国では、Linux市場が少しづつ開き始めたようだが、日本はどうだろう。

 Linuxに関する記事だけは目立つ。ところが、内容は具体性を欠く。オープン化の意義を語るものや、政府の方針、海外状況の解説が多い。話題先行といえよう。

 そもそも、利用者にとっては、メリットがあれば、Linuxであろうが、WindowsやUNIX(Solaris、AIX、HP-UX、Tru64)のどれでもかまわない。一般には、管理性/コスト、セキュリティ/信頼性、柔軟性/拡張性といった視点で、自社の状況を考えてメリット比較して決断する問題だ。
 本当に、Linux化を考えているなら、具体的な例でメリット評価を巡る議論が始まる筈である。

 従って、こうした記事内容から判断する限り、日本ではLinuxのメリットが実感できていない、と言えそうだ。

 確かに、日本の状況を見れば、Linuxのメリットが本当に生かせるか、疑問な点が多い。

 Linuxは、様々な外部の知恵を生かせる点がメリットとされている。アプリケーションのソースコードがわかる上に、作者から直接アドバイスを貰えることになる。深いレベルで対応できる訳だ。今までなかった有利な点があると言える。
 しかし、逆に、OSレベルで、際限無き改定が進む可能性もある。先進性より、システムの安定性を重視する利用者にとっては、これはメリットというより、デメリットに近い。安心して使うことができないからだ。
 つまり、信頼に足る企業による継続的サポートの確約がなければ、Linux移行は躊躇せざるを得ない。特に問題なのが、Linux技術者人口が極めて小さい点だ。問題対処のマンパワー面での不安は消えていない。
 要するに、大手ベンダーが本格的なLinuxサポート体制を構築しない限り、移行は進まないのである。

 といっても、黙っていても、Linux普及が徐々に進む分野もある。長期的な継続性の問題が小さく、導入時の費用だけで投資効率を評価できる分野なら、導入時費用が少額なLinuxは優位といえる。(例えば、単機能のメールサーバや簡単な構造のウエブサーバ)
 しかし、これはLinuxの普及というより、ニッチ化かもしれない。このような浸透を見て、全体の状況判断はできかねる。

 要するに、日本では、低コストで確実なサポートがあれば導入される。極めて単純な動機だ。
 従って、Linux導入とは、Windows代替ではなく、高額なUNIX代替を意味する。特に、ヒューレット・パッカード/コンパック(HP-UXとTru64UNIX)は、使用プロセッサをインテル型に変更するから、最初の代替ターゲットといえよう。(Windowsへ移行の可能性もゼロとは言えないが、今更、システムを32bitへグレードダウンするとは思えない。)
 ということは、ヒューレット・パッカードがLinux移行戦略を採用し、それに対応する形でIBMがAIXからLinux移行戦略を本格化するかどうかで、流れが決まりそうだ。
 一方、日本のベンダーは蚊帳の外から眺めるだけで、自らLinux化の流れをつくる気はないようだ。政府の動きに対応して、Linux化を準備する程度で済ますのだろう。

 現在のベンダーの姿勢が続く限り、日本では、Linux化は進むまい。

 インターネットのインパクト 目次へ

(C) 1999-2002 RandDManagement.com