---ウインドウズの位置付け

  異種接続が進む。

  2000年末頃から、「Webサービス」という用語が広がり始めた。インターネットを用いた取引自動化への動きが、立ちあがったのである。
 具体的には、XML、SOAP(Simple Object Access Protocol)、WSDL(Web Services Description Language)、UDDI(Universal Description, Discovery and Integration)といった技術を用いた、異種システム間のオープンな情報共有/アプリケーション接続の試みだ。

 オープンな取引を始めるためには、このような仕組みが不可欠なのは自明だ。
 しかし、実現は簡単ではない。各企業が現在使用中のシステムは、過去の蓄積の集大成であり、皆が自社システムを生かせるような規格を目指すからだ。
 一般に、このような相反する利害の調整は至難の技である。そのため、オープンは「夢」に終わる、と見なす人もいる。一方、一端動きが始まれば、一気に「バスに乗り遅れるな」状況になるという、正反対の予測もある。どちらの兆候も指摘できるから、将来の読みは難しいが、2002年の動きを見ていると、米国ではオープン化を支持するユーザーが目立つ。そうなると、後者の可能性が高そうだ。

 特に、先進ユーザーがオープンシステムへの移行を支持している点が大きい。
 ITバブルが弾けて以来、優良企業も、アプリケーションサーバやネットワークストレージといった基幹分野への投資を絞りこんできた。この領域で競争力向上を図るには、オープン化は最重要課題となるのは間違いない。
 そうなると、掛け声だけでなく、オープン化に応えようとしないベンダーとの取引を中止する動きが始まるだろう。ベンダー規格の乱立を許さぬ、ユーザー連合ができる可能性さえある。

 こうした動きの中心は、WS-I(Web Services Interoperability Organization)だ。2002年2月に、W3CやOASISの規格に基づいた相互接続のための標準仕様開発/普及を目指して設立された組織である。
 実質的には、IBMとMicrosoftが取り仕切っている組織らしいが、主用なIT企業が次々と参加しており、大きな組織に育ってきた。[日本企業は、設立メンバーの富士通をはじめ、日立、NEC、東芝、リコー、NTT、NRIといった企業が参加している。](http://www.ws-i.org/)

 この組織が活性化すると、「Webサービス」ソフトウェアの相互接続実現の可能性が急速に高まる。W3CやOASISといった技術論の世界ではなく、実践論が中心だからである。現時点の「Webサービス」とは、Javaと.NETの利用と同義である。従って、Javaと.NET側の協力が無い限り、W3CやOASISの勧告がスムースに進む保証など無い。Javaと.NETのプロモーターが、ユーザーと一緒に考えながら、実践する組織の動きで規格の普及が決まると見た方がよいだろう。

 この動きは、同時に、アプリケーションソフトのモジュール化を促進させることに繋がる。
 そうなると、現在の主流のデータベースに、カスタマイズされた特殊なアプリケーションを簡単に結合できるようになる。つまり、システム間の接続が簡単になり、コストも大幅に削減される訳だ。このインパクトは極めて大きい。

 この流れが始まれば、「WS-I」に参加していない企業にシステム開発を頼む企業はなくなるだろう。
 日本企業は、この波に乗れるだろうか。

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