---「e-ビジネス」の時代

  UMLの開花(1:問題記述標準化の意味)

 課題分析/モデル化の記述ツール、UML(Unified Modeling Language)が急速に浸透している。1997年に、意味と文法が標準化されて以来、徐々に活用が広がってきたが、UML2.0で価値が認識されたため、裾野が一気に広がっているようだ。(1997年のパートナー:DEC、HP、I-Logix、Intellicorp、IBM、Icon Computing、MCI Systemhouse、Microsoft、Oracle、Rational Software、TI、Unisys)

 UMLを使うことで、ビジネスの仕組みが強化できるされることが理解され始めたともいえる。システム開発が合理的に進むだけででなく、開発スピード/品質が実際に向上するから、着実に浸透していくと考えられる。
 類似のものとして、CASEツールがある。かつてブーム化したが、あっという間に沈静化した。そのため、UMLも同じ道を辿ることになろう、と揶揄する声も聞こえてくるが、今回は本物と見て間違いないようだ。

 すでに、コンピュータ・システムは複雑で規模も大きくなっている。しかも、応用場面はすべての業務に渡るようになってきた。その上、利用者もグローバル化し、千差万別な状況だ。
 こうした環境下で、問題対象を明瞭に定義して、その内容を整理する「標準」ツールが重要視されるのは当然の流れである。

 とはいうものの、今までは、理屈と現実が一致しないことが多かった。課題分析/モデルツールとしては優れていても、他のツールとはうまく繋がらなかったからである。
 ところが、UML2.0はMDA(Model Driven Architecture)という広い概念の下での標準下されたので、どのようなシステムにも対応可能であり、どのような仕事の流れにも柔軟に対応できる。

 本当に対応できれば、システム開発にとっては画期的といえる。

 エンジニアは常に新しいコンピュータ言語を学ばされ続けており、お蔭で企業内には様々なシステムが同居している。その上、OSもバラバラである。外部から見れば、複雑怪奇としか言いようがない状況だ。そして、この先も新しい言語が登場することは間違いない。
 最新技術ほど開発は楽なのだが、最新技術を導入しても、既存の資産を捨てる訳にはいかないから、大規模複雑化で労力は益々嵩むのが実情だ。ここに、どの仕組みにも適用可能なツールが登場するのである。
 つまり、この方法論なら、これから10〜20年間使い続けることが可能といえる。・・・夢のような話しである。

 このような「美味しい話」は、先走ると損することが多い。実際に進めてみると、当初考えていなかったバリアに遭遇して頓挫するからだ。UML2.0も同じことがいえるだろう。
 しかし、UML2.0の場合は、「先走って」この仕組みを生かせる企業が登場しそうである。「システム構築成功の鍵は設計ビジョン」との思想を確立している企業である。この考え方が担当者に十分に浸透していれば、UML2.0で複雑な問題を抽象化して知識の共有ができることに気付く。これは、実務者がUML2.0の利用法を理解しているのと同義である。理解していれば、このツールは「仕事の進め方のルール」としてすぐに定着する筈だ。
 単なるツールとして導入を考える企業はバリアに遭遇すると、右往左往するしかないが、こうした考え方ならバリアの突破口はすぐに見つかる。そして、業務生産性が飛躍的に上昇する。

 おそらく、UML2.0を活用して、生産性が上がり始めた時が、本当のe-Bisiness勃興期といえる。

 現在のe-Bisinessの仕組みは、インターネットを使っているだけだ。中味はガラス細工の寄せ集めのような仕組みである。個々の仕組みは、設計者しかわからない。その制度に合わせてビジネスが動いている。全体構造を関係者全員が理解することなど不可能なのである。

 これが、UML2.0で一転する。     

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