---「e-ビジネス」の時代

  UMLの開花(2:新しい技術体系の誕生)

 UML 2.0が力を発揮できそうに思えるのは、驚くほど数多くの企業/団体のIT実務部隊/研究者が規格化に参画してきたからである。このままでは、複雑化するシステム設計に対応しかねる、との認識が広まっていることを示しているといえよう。
[例えば、主力グループ「U2」のパートナーはAlcatel, ,Computer Associates ,Enea Business Software ,Ericsson ,Fujitsu ,Hewlett-Packard ,IBM ,I-Logix ,IONA ,Kabira Technologies ,Motorola ,Oracle ,Rational Software ,SOFTEAM ,Telelogic ,Unisys ,WebGain](http://www.u2-partners.org/)

 2003年4月16/17日に開催された「UML FORUM/TOKYO 2003」の主催者、オブジェクトテクノロジー研究所のリリースによると、UMLはブームの観を呈しつつあるそうだ。(http://www.otij.org/UMLForum2003/ http://www.otij.org/release/20030404/)

 エンジニアには、「UMLさえあれば」との過大な期待が生まれているようだ。

 そのため、このリリースでは4つの留意点をあげている。
 最初の3点は当然の内容といえる。
  ・第三者に内容が理解できるだけで、設計内容が優れたものに変わる訳ではない。
  ・正確に記述されていないモデルでは、コードの自動生成はできない。
  ・自動生成ができるからといって、プログラミングの重要性が失われることはない。
 4つ目がポイントといえる。
  ・現在のUMLは、アプリケーション開発のすべての段階のモデルに応えることはできない。

 つまり、いかに有用なツールとは言っても、システム構築の全体構造を考えた上で使わないなら、効果は薄い、ということだ。 (Model Driven Architecture http://www.omg.org/mda/)
 全体構造を考えると、いくつかのコンポーネンツにわかれるが、確かに、現段階では、UMLはすべてに活用できる訳ではないのである。

 要するに、全体を考えながら、UMLを利用していくことが重要なのである。以下のようなモジュールを設定して、対応シナリオを作成することから出発することが肝要といえよう。
  ・現実のビジネス(業種/業態)のニーズに対応したモデル(コンピュータシステムで記述しにくい部分を含む)
  ・課題を抽象化した論理モデル(Platform Independent Model:プラットフォームに依存しない。)
  ・実装環境に対応したモデル(Platform Specific Model:プラットフォームに対応する。)
  ・ソースジェネレータ
 これらのモジュールが順次繋がれば、開発効率は飛躍的に向上することになる。現在の統合ツールはまだそこまでは到達していないが、流れは始まっている。

 しかし、モジュールの一気通貫が実現できなくても、開発担当者しか活用できなかった設計情報が、機械側が理解できるようになった点だけでも、画期的といえる。PIM/PSMがジェネレータに送られれば、自動的にソースが生成されるのである。これだけでも、開発効率大幅向上は間違いあるまい。
 つまり、一端PIMを作れば、プラットフォームが変わっても、モデルをPSMに送り、それに対応したジェネレータを用いるだけで、すぐに対応できることになる。新たな技術が登場しても、実装は簡単にできるのである。実装を考えずに、仕様変更をモデル上で行えるから柔軟で迅速な対応が可能になる。そうなれば、開発、運用、保守、更新の仕組みが大きく変わることになろう。

 要するに、CORBA、Java、XML、.NETといったプラットフォーム技術と、設計技術が分離される動きといえる。当然、技術体系が抜本的に変わる。
 そうなると、鍵を握る技術は、PIM/PSMの編集/校訂ツール、モデルからソースプログラムを創出するツールの骨格構造、高品質なジェネレータということになろう。

   過去記載の
   ・「UMLの開花(1:問題記述標準化の意味)…」へ (20030417)

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