---車IT化の衝撃

  Windows Automotiveの本格化

 2003年4月、「Microsoft Automotive & Telematics Conference in Japan」が開催され、トヨタ自動車と松下電器産業による「G-BOOK車載機の開発」のスピーチと、「Windows Automotive 4.2」や「.NET Framework」に関するセッションが持たれた。車向けのインターネットビジネス市場を狙うためには、日本の自動車産業界からの支持が不可欠であるから、極めて重要なイベントだといえる。(http://www.microsoft.com/japan/automotive/pressevents/events/schedule0424.asp)

 実は、このイベントが開催される直前、Microsoftは、組み込み型OS「Windows CE .Net 4.2」を製造開始すると発表した。「.Net」をすべての業界でプラットフォーム化する動きといえる。(http://www.microsoft.com/presspass/press/2003/Apr03/04-23Version42RTMPR.asp)
 「Automotive 4.2」はこの流れの自動車業界版と考えるべきである。バージョン4.2は外部との繋がりという観点では、桁違いに機能が高い。ここまでくると、車載用OSの力が認識されるようになるだろう。今までは、Microsoftの車載用OS利用は、高級車のエンタテインメント用が中心だったが、「.Net」が入ってくることで、パソコン同様に広く普及し始めると思われる。

 Microsoftが「AutoPC/Windows CE for Automotive」の名前で車載OSの展開を始めたのは1998年のことだ。但し、車載用組み込み型OSといっても、パワー回りのコンピュータコントロール用のリアルタイム処理には一切かかわっていない。外部接続用としての位置付けで始めたのである。
 そして、2002年には、「.Net」をベースとして、車に対する様々なサービスを提供するとの、全体構想をはっきり開示した。パートナーと組んで市場開拓の意志を明確にしたのである。
 といっても、サービス内容は、よく知られたものでしかない。
 ・交通アドバイス
 ・音楽ダウンロードやエンタテインメント
 ・メール等を含めたインターネット接続サービス
 ・車の機能モニター
 ・技術サービス連絡
 ・盗難対応
(http://www.microsoft.com/net/home/connected_car.asp)

 この動きの肝心なところは、サービス内容というより、サービスの仕組みである。パソコンでは、Microsoftはサービス事業を上手く育てられなかったが、その教訓を生かして、車分野では大きく育てようと考えているのだろう。
 実際、Microsoftの「My Car」には、すでに「Get local gas prices」といった、米国の一般消費者の関心を呼びそうな内容が用意されている。車向けポータル狙いと思われる。 (http://autos.msn.com/everyday/everyday.aspx?src=LeftNav)

 ポータル争いといえば、ネットサーフィン時代から存在しているが、「.Net」化すると意味が変わってくる。
 「.Net」がプラットフォーム化すれば、情報入手用のソフトがOS上で走るからである。こうなれば、ソフトを押さえれば自動的にポータル化することも可能だ。従って、琴線に触れる内容を提供し、ソフトを端末に乗せることが重要なのだ。これに成功すれば、サービス市場の覇者になれるかもしれない。
 これから、この競争が始まると思われる。

 というより、すでに競争は始まっている、と言った方が正しいだろう。「My Car」では、ソフト提供が始まっている。

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