---「e-ビジネス」の時代

  Java普及の結節点
2003.7.2
 Javaコミュニティが急速に拡張するかもしれない。ようやく、開発者を増やそうとの動きが始まったからだ。(2003年6月10日のO'Reillyの「JavaOne」向けプレスリリース http://press.oreilly.com/pub/pr/1059)

 時あたかも、無線ICタグが軌道に乗りかけたところである。
 理想の将来像とは、言うまでも無く、IDが埋め込まれたがタグがすべての商品に添付され、取引が完全にインテリジェント化した状態である。ゆっくりだが、確実にその方向に進みつつある。
 もしも、このタグがJavaチップになれば、その場でこの情報を無線で読み込み、Javaのサーバ(J2EE)に取り込める。そして、このデータは瞬時に企業内のERPシステムに入る。このような運営がすべて、Web型のサービスで可能になる。すでに大部分の技術は揃っているから、たいして難しいことではない。

 Javaは、1億個のケータイに実装されているそうで、実力の程は実証ずみだ。この先、Javaが、このような社会インフラにまで進む動きが始まった、と言えよう。

 といっても、上手くいく保証はない。夢に終わるかもしれない。
 実験的にはすぐに動かせるが、このようなインフラ作りはリスクが高いからだ。というのは、タグ価格の問題もあるが、上流から下流までの同期体制がさっぱり整わないからである。一過性のインフラなどあり得ないから、誰も先を走りたくないのだ。産業界は、同床異夢状態なのである。

 どう見ても、Java技術を代替するものは無い。しかし、規格はまとまらないのである。
 どの企業も、自社独特の改変を加えて、他社が使えないものを作りたがる。しかし互換性を欠けば、普及にはマイナスだ。標準から外れそうな仕組みで、企業内インフラを作ることなどあり得まい。お蔭で、今のところ、どうなるかわからないのだ。
 と言うより、シェア1位になれば、規格を独占できる可能性が高いから、企業が活発に動いている、と見た方がよい。標準化の議論に参加することで、標準潰し図る企業が登場してもおかしくないのである。

 このような場合、中抜きの連帯で勝負がつくことが多い。
 つまり、末端の無線ICタグ分野の関係者と、企業のERPソフト関係者が連帯できれば、一挙に話しが進むということだ。
 すでに、ERPソフト分野では、「SAP R/3O」は対応を進めているし、Oracleも「JavaServerFaces」を発表している。従って、無線ICタグ分野がこの方向に進めば流れは決まってしまう可能性が高い。特に、SAPの顧客は大企業中心に2万社と言われており、先進的な顧客を抱えているから、無線タグの規格が揃ってきたら、一気に動き始めるだろう。例えば、部品・モジュール管理に応用すれば、生産現場に、簡単に日本のカンバン方式を導入できる。チャンスと見たら、欧米の経営者は必ず動く。

 一方、無線タグの規格ははっきりしていない。熱心に動いているAuto-ID Centerは、考え方はJavaコミュニティに近いかもしれないが、状況は複雑である。(http://www.autoidcenter.org/aboutthetech_creating.asp)
 日本でも、Auto-IDと一線を画す動きが発生している。Tronプロジェクトである。米国輸出商品につけることが難しいタグを開発するつもりなのだろうか。

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