---「e-ビジネス」の時代

  インターネット取引の非課税化
2003.9.19
 2003年9月17日、「Internet Tax Non-Discrimination Act」が米国下院を通過した。インターネットアクセスと取引は恒久的に非課税とするという内容である。
 (http://cox.house.gov/html/release.cfm?id=696)

 今までは、期間を限った課税凍結だったが、これからは非課税が恒久化することになる。
 プロモーターはカリフォルニア州選出の共和党Christophae Cox議員だが、共和党も民主党も一致して支持した。上院の予定ははっきりしないが、時限立法の期限が迫っているから、票決は時間の問題だろう。Bush大統領も、2001年にEIAでの講演で、「We need to ban Internet access taxes.」と発言しているから、法案化は間違いあるまい。
 (http://www.newsfactor.com/perl/story/9605.html)

 州政府や自治体のなかには、貴重な税源、との意見もあったようだが、議会は電子商取引促進が重要と考えたようだ。小売り業界も、電子商取引に商売をすべて取られるといった脅威は無いと判断したようで、恒久化に大反対することもなかったようだ。
 インターネットを利用者はすでにインフラ使用段階で十分税金を払っており、これ以上二重三重の課税は避けるべきとの論理も、それなりの説得性があったようだ。
 さらに、課税によって、実質利用料が増えれば、デジタルデバイドがさらに拡大しかねまい、との主張も効いた。

 要は、国内政治状況が安定したため、恒久化が実現したと言えそうだ。

 こうなると、米国は、貿易関税ゼロに向けて、さらに世界に働きかけることになろう。インターネットには国境がないから、1国毎に別制度という仕組みは無理がある。米国の視点で見れば、当然の動きといえよう。

 しかし、インターネット先進国たる、米国の意向がそのまま受け入れられる状況にはない。

 EUは、すでに、正反対の姿勢だ。もともと、付加価値税がメンバー国では税の基本になっているため、インターネット取引の例外化には抵抗感があるからだ。

 従来型取引では、販売者が必ずどこかの国に所属する。どこの国籍だろうが、顧客への販売活動は不可欠だからだ。そのため、税捕集は可能だ。
 ところが、インターネット経由のデジタルコンテンツビジネスは通信媒体上で取引される。そのため、販売者がどこに存在しているのか判然としない。この状態であれば、下手をすると、米国勢力に市場を席巻され、国内産業が打ちのめされかねないのだ。
 従って、EUは、非課税の自由放任市場化を認める訳にはいかないのである。その結果、2003年7月から海外取引が付加価値税の対象になった。
 (http://europa.eu.int/comm/taxation_customs/taxation/ecommerce/vat_en.htm)

 これは、米国優位体制の下での経済成長は望まない、とのEUの意志表明ともいえよう。

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