---おかしな兆候

  インターネット非利用者の思想
2003.10.31
 先進国のインターネット人口は全体の半数を越えたようだ。
 どの政府も、さらなる浸透策や、コンピュータ教育に注力してはいるが、ここから先の普及がなかなか進まないようだ。
 家電製品では、ここまで進めば、後は一気に家庭に入るものだが、足踏み状態の感じがする。

 このため、デジタルデバイド問題解決に動け、との声が高まっている。

 生活環境、教育を受ける機会、費用負担能力の格差で、インターネット利用ができない人達に救いの手を、との主張だ。
 確かに、社会が階層的に分断される可能性があるから、デジタルデバイドへの対応は重要課題といえよう。

 このため、様々なデジタルデバイド解消策が展開されている。

 このような環境下では、普及が進まない理由を「利用能力を欠く」からと思い勝ちである。実は、本当にそうなのかは、はっきりしていない。
 人々は本当にインターネットを使いたがっているのか、インターネット接続できないと生活レベルが下がると考えているのか、はよくわからない。

 そのような疑問が解けてきた。

 The Economistに「The digital divide Internet? No thanks」との記事で、イギリスの普及状況についての分析が紹介されたのである。(2003年9月18日 有料)
 インターネットが普及しない理由は、人々が使いたくないからで、能力不足の問題ではない、との調査結果だ。
 (http://users.ox.ac.uk/~oxis/enough.htm)

 米国でも、同様な結果が報告されている。
 インターネットを体験後ドロップアウトした人が、非利用者のうちの17%にものぼる。非利用者の20%は、接続環境があるのに、インターネット接続を拒否している。
 子供の相手や、他のことで忙しくて、 オンライン情報に魅力はない、と考える人が結構多いのだ。
 (2003年4月発表 http://www.pewinternet.org/releases/release.asp?id=62)

 よく考えて見れば、インターネットといっても、メールを除けば、大した中味ではない。文字と静止画像が並ぶだけのものだ。しかも、目次だけで、知りたければ「本や雑誌の購入」を勧めるものも多い。
 数多くのチャンネルがあるなら、動画でストーリーもあるテレビ番組の方が魅力があるし、様々なジャンルの専門誌が揃っていれば、雑誌を読む方が余程楽しい、と考える人がいてもおかしくない。
 ショッピングやファイナンスを利用する必要が無いなら、インターネットなどつまらぬ媒体なのかもしれない。

 そもそも、インターネット入門とか、インターネット利用術、といった本を読まないと、インターネットが使えないのだから、当然とも言えそうだ。

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