---Linux時代の幕開け   

  普及の可能性 4: 専用システムの登場
2003.12.21
 Linuxが浸透し易い大規模なシステムについて述べた。
  → 「2: 次世代サーバに向けて」、 「3: プロコン代替へ」

 こうした流れを見ると、サーバとクライアントの全システムがLinux化するチャンスが生まれていることに気付くと思う。
 特殊な用途で、独立したシステムなら、サーバだけをLinuxにしておく理由が無いからである。

 そして、そのような例がすでに登場しているのだ。
 アニメーションスタジオのシステムである。

 2002年に、Walt Disney Feature AnimationがLinuxベースのサーバ(IA-32)とワークステーション(Xeon)を次世代のアニメーションスタジオのシステムとすることに決めたとの発表がなされたのだ。
  (http://www.hp.com/hpinfo/newsroom/press/2002/020618c.html)

 これは、アニメーション業界では決定的な発表だった。
 アニメーション工場といえば、今までは、数百万円のSGI製マシーンが並ぶのが常識だった。ところが、Intel構造CPUを使用した安価なコンピュータでも、十分対応できることがはっきりしたからである。

 すでに、大ヒット作「Men in Black」の真に迫るキャラクター画像も、商用UNIXのIRIXではなく、Linuxで作られたことが知られており、Linuxの信頼性は高まっていた。しかも、テクニカル・アニメーター(George Lucas' Industrial Light and Magicが作成) がLinuxへの移行はスムースだったと語ったのである。
  (http://www.gameedu.org/magzine/film7.htm)

 Linuxへ移行すればコスト半減が見えている以上、ここまでくれば、ハリウッドのスタジオが一斉にLinuxに動くのは確実である。

 LinuxをプロモートしているIBMも、アニメーション専門企業のThreshold Digital Research Labsから、Linuxベースのワークステーション群の大規模システムを受注している。
 アニメーションスタジオのLinux移行はすでに奔流化していると言えよう。
  (http://www-306.ibm.com/software/success/cssdb.nsf/cs/MCAG-5Q6FLB?OpenDocument&Site=linuxatibm)

 この流れでもわかるように、外部ネットワーク接続に意味がなく、特定の業務に徹底的に集中できれば成果があがるシステムの場合、Linuxベースのシステムは圧倒的なコストパフォーマンスが発揮できる。
 高額なハードを用いている大企業内の専門部署や、特殊な専門業務中心の企業は、早晩Linux化を図るのは間違いあるまい。

 アニメーションの場合は、高額なUNIXマシーンの代替という形態でのLinuxの浸透だったが、この流れを見れば、安価なWindowsデスクトップマシーンの代替も十分ありえよう。
 専用だから、豊富なWindows用のアプリケーション群の存在は全く意味が無いし、新たな周辺機器増設の必要性も無い。本来なら、無駄な部分が多い大きなOSであるWindowsには特段の魅力はないのである。本当は、ダウンが少なく、余計な機能が省けて軽快に動くLinuxの方が嬉しい筈だ。

 従って、専用アプリケーションの作り込みが簡単になりさえすれば、Linuxが使われ始めるのは間違いあるまい。

 ひとたびLinuxベースの専用システムが稼動し始めれば、一気呵成に動くのは、アニメーション業界と同じだろう。
 今や、こうした流れを作れるかどうかが、システム構築サービス業者に問われていると言えよう。

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