---Linux時代の幕開け   

  普及の可能性 6: 素人利用は望み薄
2003.12.24
 企業内のLinux利用の可能性がありそうな場面を眺めて来た。
  → 「2: 次世代サーバに向けて」、 「3: プロコン代替へ」、 「4: 専用システムの登場」、 「5: 小企業の姿勢転換」

 ひとまず企業向け市場をおえて、一般のパソコン市場を見てみよう。ここでの、Windows代替の可能性を考えてみよう。

 今のところ、Linuxパソコンはほとんど見かけない。しかし、代替があり得ないとも言えない。

 デスクトップパソコンなら純ハードだけなら3万円販売が可能な時代に入ったのに、OSと必要なソフトを揃えただけで5万円を越すからだ。ここまでくると、流石に、ソフトの価格の高さが目につく。
 どう考えても、Windows OSや主用ソフトは低価格化圧力に晒されているといえよう。従って、安価にできなければ、Linuxパソコンが入り込む余地がでてこよう。

 又、Linuxパソコンの個人ユーザーが、市場を切り拓く可能性もあろう。

 とは言うものの、現実には、日本では、Linuxユーザーはさっぱり広がらないようだ。欧米では、それなりに使われているようなのだが。

 ・・・しかし、勉強熱心な日本人であるから、突然普及に火がつくかもしれない。少し眺めてみよう

 思ったほど使われていない割には、本屋の書棚にはLinuxの本が沢山並んでいる。Linuxパソコンを滅多に見ない割には、初心者向けの本も多く、不思議な感じだ。

 実際に、コンピュータに関心を持つ人達に尋ねると、この理由がわかってくる。

 こうした本の購読者は2グループにわかれているようである。

 1つ目のグループは、日々UNIXを使っていたり、コンピュータ・プログラムを学んでいる人達である。
 外部から見ると、UNIXを使っているのに、何故わざわざLinuxを使うかと思ってしまうが、当人の立ち場で考えれば理由は自明だ。個人ではとても高額なUNIXマシーンを買えないだけの話しである。安価なパソコンで動く、UNIX類似のOSを選んだだけなのである。
 コンピュータ・プログラムを学んでいる人達も同じような動機でLinuxを使う。プログラムを走らせるために必要なコンパイラーが高価なので、Linuxを使うのである。
 従って、このグループは、自宅のWindousマシーンでLinuxを稼動させることになる。
 しかし、特段の目的があってLinuxを使っている訳ではないから、新しい活用方法を生み出す可能性は低いと思われる。又、余りに専門家すぎるから、一般の人達とはギャップがありすぎ、Linuxの一般普及に大きく貢献することは無いだろう。

 一方、2つ目のグループは、これほどの専門家でないが、コンピュータに興味を持つ人達である。こちらは、純粋に勉強のために本を購入する。
 日々の業務に直接的に関係はしないのだが、Linuxぐらいは知っておくべき、と考えているようだ。時代から遅れてならじ、とのプレッシャーを感じているのだろう。とはいえ、コンピュータ自体が楽しみの対象である。本を購入する背景には、たいしてお金がかからないなら、自分でサーバ位は稼動してみたいと考えているのだ。
 ところが、このグループは、何冊かの本を購入して勉強はしているが、なかなかLinuxを使いこなせる所までいかない。多くの場合、歴史の解説、オープンソースの意義の説明、ライセンス条項の解釈を読むだけで、肝心の利用法で挫折するようだ。Linuxの修得は、コンピュータの専門家でないと極めてバリアが高いのである。
 本来なら、このグループが様々な試行を行うことで、一般の人達が巻き込まれ市場が広がるのだが、そのような環境には無い。

 こうなってしまうのは、皆がWindowsに慣れすぎているせいもあるのかもしれない。Linuxは、Windowsの前身のMS-DOSのように英文のコマンドラインで操作するからだ。素人は、ここで躓くようだ。
 つまり、エンジニアレベルでないと対応しがたいOSなのである。Windowsのように、一般人が操作できるレベルからはほど遠いと言える。

 誤解を恐れず語れば、LinuxはWindowsと比較すれば、10年遅れているといえよう。
 (LinuxにもWindowsのデスクトップのような画像インターフェースはあるが、洗練度は極めて低い。好みの問題であるデザイン性ならまだしも、未だに字が読みづらいのである。フォントさえ改善されないままであり、まさに荒削り状態と言ってよい。標準化もできていないから、素人に教授するのも難しい。・・・もっとも、Linuxファンの評価は違う。自由に画面構成を変えられるから面白いとなる。なかにはWindowsのフォントが使えるから、問題無いと語る人もいるようだ。)

 一番の問題はインストールである。話しを聞くと、ずいぶん改善されたようだが、問題なくインストールできるとは言い難いようだ。Windowsパソコンの技術知識がないと、トラブル発生でインストールさえできないらしい。

 インストールに成功しても、次ぎの難関が引けている。

 周辺機器が簡単に繋がらないという。
 特に日本では、周辺機能の仕様向上はひっきりなし状態だし、パソコンも大型液晶や書込み型DVD搭載といった高機能品が売れ筋だ。しかも、ノートブック型が好まれている。
 この状況で、Windowsパソコン上でLinuxを動かそうとするから、トラブル満載なのである。個別の機器毎に、指定ドライバーをインストールするだけでも大変なのに、上手くいかない機器が多いのである。ノートブックでは機器機能がボード上に混載されているため、解決不能な時もあるという。ネットワークカードなど、素人は稼動を期待しない方がよいと語る人さえいる。
 要するに、面倒な設定を行って、どうやら繋がる、というのが実態なのだ。

 この状態では、たとえLinuxインストール済みパソコンが販売されても、一般消費者は外部機器を繋ぐことさえできないと思われる。
 この欠点が克服されない限り、日本ではLinuxを使う人は増えないと思われる。

 この状態を克服しない限り、一般消費者がLinuxパソコン購入に進むことなどあり得そうにない。

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