---インターネットのインパクト   

   Googleの巨大な市場価値
2004.1.15
 GoogleがIPOに動いているため、IT業界ではインターネット検索の話題がもちきりだ。IT企業の資金調達環境が変わるのではないかと期待する人も多い。
 BusinessWeekが、市場価値200億ドルになるというアナリストの予測を紹介している位だから、関心が集まるのは無理もない。
  (http://www.businessweek.com/magazine/content/03_46/b3858071.htm)

 現在のところエンジンはGoogleが圧倒的である。優れたアルゴリズムだったため、一気にシェアを獲得した。今もって評判は上々である。
  (http://www.google.com/press/awards.html)
 実質的対抗馬はInktomiとFast Search位だろう。
  (分類の仕方 http://www.searchengineshowdown.com/reviews/)

 しかし、特定の技術に依存したビジネスだから、基盤が磐石とは言い難い。さらに優れたアルゴリズムや提示方法が開発されると、地位を失う可能性があるからだ。

 Googleは、リンク頻度にもとづいて優先順位を決める方法を採用している。当然のことながら、これがベストとの理屈は無い。従って、他の考え方での挑戦が続く。
 しかも、誰もが、Googleの欠点(出てくる情報が多すぎる上、ほとんどが探したいものと違う。)を感じているから、なおさらである。

 新しい流れはいくつかあるが、2つに分けることができそうだ。

 1つの流れは、知りたいものへの絞り込みが簡単になるよう、グループ分けが簡単に行える方法である。言語カテゴリー分析と統計分析を組み合わせて、大量の情報を一瞥できる仕組みと言えよう。これは、新しいアルゴリズムで代替してしまう方法と、Googleの結果に解析ツールを付け加える方法に分かれる。
 この方法は頭で考えると素晴らしく見えるのだが、カテゴリーをスマート化すると、膨大な体系になるため、カバー頁数を増やすのが難しくなる点にある。見かけは美しくて、使い易そうだが、データ量は大幅に減っている可能性が高いのである。
 もっとも、予め対象頁を絞っておけば、奏効する可能性は高い。例えば、個人の四方山話しの膨大なサイトを除外し、ビジネスに関係しそうなサイトで行えば機能するのは間違いない。といっても、目的を絞るのだから、利用者数が大幅に減る。このため、開発のインセンティブが薄くなる訳だ。
 どう見ても、イノベーティブな方法が出ない限り、Google並の普及は難しいと思われる。

 他方は、処理速度を向上させ、実効カバー頁数を増やす方法である。低コストでより精度が高い検索を目指すことになる。こちらは、現実的な流れである。
 しかも、特に米国では、情報検索が生活の一部に入ってきたから、個人のニーズに合った正確で役に立つ検索が求められている。
 安価に処理可能で、検索能力が大幅に向上し、Googleを越すサイトカバー率が実現するなら、代替もあり得そうだ。

 ここで注意すべきは、上記のどの方向に向かうにしても、「個人毎のニーズに合った情報提供」方法への流れが急速に強まっている点だ。

 現在のところは、検索サイト頁を、個人毎の使い易いデザインに変えるサービスが増えているようだ。
 こうした対応は、検索内容を変えず、見かけ上のカスタム化を追求しているに過ぎない。もちろん、使い勝手はよくなるから、意味が無い訳ではないが、深く追求すれば技術とお金の無駄遣いになる。
 本当に必要なのは、個人毎のニーズに応える、検索内容の質の向上を実現する技術である。開発は困難だが、本質的な課題を解決するのだから、成功すれば、圧倒的な地位を確立できる。
 残念ながら、こうした本質的な動きは弱いのが実情である。

 ・・・これは、この分野の技術屋以外が、検索エンジン技術に無関心なためかもしれない。
 検索エンジン技術独占は、ウインドウズ独占とは比較にならぬほどの深刻な問題が含まれていることに気付かないのだろうか。

 これからの時代は、検索がコミュニティ活動の端緒になると思われる。社会的に極めて重要な活動になる訳だ。従って、どのようなアルゴリズムがよいのか、どのような体系が望ましいのか、は単純な技術問題ではない。
 どのような社会にしたいのか、というビジョンも係わってくるのである。

 今のまま進めば、検索結果上位になるよう画策しさえすれば、オピニオンリーダーになれる社会ができあがるかもしれない。
 そうなると読むなら、優先度を左右することができるGoogleの市場価値が巨大化するのは当然と言えよう。

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