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---インターネットのインパクト   

   WebFountainの話題性
2004.3.14
 IBMの「WebFountain」(1)は新しく始まったプロジェクトという訳ではないが、最近、話題になっているという。

 おそらく、この原因は、Roland Piquepaille氏(2)がブログ(2004年3月2日)で取り上げたからだろう。
 時あたかもGoogleのIPOの話題がもちきりなため、タイムリーだったこともあろう。
  → 「Googleの巨大な市場価値」 (2004.1.15)

 「WebFountain」は、機能からいえば、ウエブのデータマインニングだから、Googleとの比較で語られているようだ。Googleの限界を突破する新技術との記述が多いそうだ。

 しかし、そのような見方は一面的な感じがする。

 このプロジェクトは、推進者はGoogleの原点と繋がっている。しかし、企業の戦略的視点で見れば、とてつもない能力を持つに至ったスーパーコンピュータの利用開拓の位置付けと見るべきものだろう。そのようなものとしての、データマインングだと思う。
 ウエブは世界最大の資料庫だから、絶好の対象とも言える。

 従って、一般のインターネット利用者に繋がる技術を目指している訳ではないと思う。
 ということは、Googleとは全く異なる方向に進む技術と見ることもできそうだ。

 というのは、「WebFountain」の得意な分野とは、構造化されていない情報のトレンド分析だからである。
 これが、一般のニーズとして存在するものだろうか。

 そもそも、構造化されていない情報が流通しているのは、狭いコミュニティ内だけである。メンバー間のコミュニケーションが論理的にもとまったものになる訳がないのだ。それでも十分機能するのである。と言うより、その方が緊密な交流ができる。
 しかし、そのような情報は、外部の人にとっては魅力的とは言い難い。

 一般の人は、こうした狭いコミュニティ内の訳知り顔の人達が発信する情報に興味を持つことは、ほとんどない。しかし、知りたいことが、たまたま、こうしたコミュニティと関連することはある。
 問題はその時である。
 狭いコミュニティに蓄積されている知識も活用したいのだが、そのコミュニティに興味がある訳ではない。従って、このコミュニティに属している「物知り」が、一般の人にわかるように流す情報が欲しくなる。一般の人は、この情報を探し出したいのである。

 その点では、Googleは、ある程度、このニーズに応えてきたと思う。簡便に、すぐに見たいページを探し出せることもあるからだ。しかし、ウエブ情報が増えすぎて、期待に応えてくれなくなった、とはいえる。

 「WebFountain」は、こうしたニーズに応えるものではないだろう。プロフェッショナル仕様と言えよう。
 おそらく、素人にとっては、Yahoo!型のウエブ整理がお手軽で便利だと思われる。

 従って、「WebFountain」がGoogleのように一般用途に広がるとは言えないのである。

 「WebFountain」が注目された理由は、SemagixのマネーロンダリングソフトCIRAS(Customer Information and Risk Assessment System)に統合されたためだ。(3) 結果は良好で、ビジネスに使えるレベルであることがはっきりわかったから、この技術が広がる可能性を感じた人も多かった。
 確かに、ビジネス高度化のツールとしては魅力的なものである。

 それにしても、とてつもない検索ロボットである。数百台のコンピュータで徹底的に情報を収集する訳である。毎週2億5,000万ページを集める。ストレージは160 terabyteだというのだから、その巨大さには恐れ入る。
 と言っても、被検索側の、サーバ運営者にとっては、しつこくリクエストを送ってくる五月蝿いロボットというだけの評価かもしれないが。

 --- 参照 ---
(1) http://www-1.ibm.com/businesscenter/venturedevelopment/us/en/featurearticle/gcl_xmlid/8650/nav_id/emerging
(2) 「Smart Mobs Blog」に選ばれたブログ http://www.smartmobs.com/bloggers.html
(3) http://www.semagix.com/documents/IBMWebFountainandSemagix-pressrelease4Feb2004_000.pdf
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