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   パソコン買い替えは遅れる。
2004.6.17
 経済が持ち直してきたため、今年は、パソコン国内市場も成長するのではないかという期待が膨らんでいるという。

 ガードナー データクエストの調査によれば、国内市場は、2003年には台数ベースで2.9%のプラス成長で、2001年と2002年の連続マイナスから脱したそうだ。(1)
 2004年も引き続きプラスが見込めそうなので、明るさがでてきたと語る人が多い。

 しかし、2003年度も金額ベースではマイナス5.4%だった。2004年も、おそらく、金額ではマイナス成長だろう。
 要するに、買い替え需要中心の成熟市場なのである。

 しかし、その割には多数の参入メーカーが競って新機種開発に注力している。産業全体で見れば合理性を欠く状態といえる。統合して、顧客特性に応じた棲み分けを進めて、寡占化を進めた方がよいと思うのだが、さっぱり動きがない。
現状の商品イメージに基づいた棲み分け例
ユーザーのタイプ 訴求点 メーカー
ベテラン 新潮流一番乗り
頑丈で長期利用可能
T社
I社
モバイル重視 基本機能
便利な形状
M社
S1社
機能好み
満載
バランス
画像
S2社
F社
N社
H1社
コストに関心 サポート
カスタム
高パフォーマンス
バルク価格
安価
D社
E1社
E2社
H2社
S3社

 そもそも、2004年が明るいという見方も疑問である。経済好調だから、買い替えが進むとは限らないと思う。
 個人ユーザーは、パソコンより薄型テレビの購入を優先し始めているし、企業が買い替えに対して積極姿勢に転じる根拠も薄いからだ。

 特に、企業の買い替えに関する楽観論には疑問を感じる。情報化投資を増やすことと、クライアントパソコンの買い替えに、連動性は無い可能性が高いからだ。
 企業にとって、買い替えとは、OSを替えることと同義だ。これは、ただならぬ投資である。大企業であればあるほど、慎重になるのは当然のことである。
 従って、未だにWindows98を用いている企業も多い筈である。個人のように、しょっちゅうアップグレードする訳にはいかないからだ。プロフェッショナルが管理している世界では、OSは3年たてば更新が妥当という俗論が通る筈がない。

 例えば、2004年に、Windows98をWindowsXPに替える気になるとも思えないのである。

 と言うのは、2004年6月から「サポート ライフサイクル」方針が導入されたため、 WindowsXPも2年後にはメインストリームサポートが終わるからである。(2) 次世代のOSが登場するわかっているのに、その内容を見ないうちに、WindowsXPに急いで交替させる必然性などない。
 Windows98にしても、2006年までは有償サポートがある。どう考えても、買い替えを急ぐ必要はない。(3)

 CPUにしても、64bit化が進んでいるとは言いかねる状況にあるし、無線LAN対応のためだけに旧世代OSを捨てる必然性もない。プロフェッショナルなら、できる限りOS更新を先送りしたいに違いない。

 このような状況下で、数多くのメーカーが同質の競争を続けることは無理だと思う。先ずは、顧客特性に応じた棲み分けを進め、資本効率向上を図るしかあるまい。

 --- 参照 ---
(1) http://www.gartner.co.jp/press/pr20040325-01.pdf
(2) http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=fh;[LN];lifecycle
(3) http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=fh;[ln];lifean1

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