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2007.4.4
 
 


ようやくICカード乗車券化…

 2007年3月、首都圏の鉄道とバスが、共通のプリペイドICカードで乗れるようになった。(1)

 JR東日本がIC乗車カードを始めたのが、2001年11月のこと。 モノレール、臨海線との共通サービスが2002年。そして、都内全域共通化には、5年以上かかった。
 導入し易い路線から順次IC化を進めればよさそうなものだが、混乱を避けると称し、一斉導入にこだわるからここまで遅れるのである。

 日本より先に導入された、香港のOctopus(八達通(2))カードは1997年9月の開始。すでに10周年だ。
 2000年頃には、タクシー以外のほとんどの交通機関で使える状態だった。
 今や、コンビニ/スーパー、コーヒーショップ/ファーストフード、駐車場、等々、使える場所は増える一方。ハンディタイプのリーダも導入され、機器が設置できない場所でも使えるようになっている。
 このカードを持っていない香港住民など稀だろう。と言うより、小額取引なら、現金よりカードの方が多いと見て間違いはなかろう。
[ただ, タクシーには一部しか導入されていない. これは, 小銭のお釣りをチップとする習慣があり, 正価取引が嫌われているからだろう.]

 日本は、人件費が高い国である。
 にもかかわらず、運賃をわざわざ細かく決めて手間がかかるような仕組みを続けてきた。その仕組みを簡素に変える気がないなら、業務の全電子化は当然の流れだ。券売機のメインテナンス・集金から、改札後の処理や、現金出納の手間を考えれば、できるだけ早期に移行を図るしかない。
 そして、これが可能なICカードは、実質的に、ソニーが開発したFeliCa(3)しかない。選択に手間取ることもない。
[“リーダー/ライターとカードの間の処理は, 暗号処理を含めて約0.1秒以内で終了”するような, CPU搭載の非接触ICカードはFeliCaだけ. 日本の交通機関では, ラッシュアワー時には, 1人が約1秒で改札口を通過する. もしも, 処理がモタついたらアウト. 選択の余地などなかろう.]

 だからこそ、香港はいち早く導入を決め、早期普及のために、全交通機関共通化を徹底させた。バラバラな規格を導入すればコストは嵩むし、利用者に不便なのは自明だから当然だろう。
 ところが、日本ではそうはいかない。

 JR東日本がIC乗車カードを発行することがわかっているのに、わざわざ私鉄が共通磁気カードシステムを始めたりする。2000年10月のことだ。
 驚いたことに、JR東日本の磁気カードも共通にするよう、変更を働きかけたと言われている。磁気カード無用と判断したからこそ、IC乗車カードを始めるのに、わざわざ磁気カードに戻れという主張をした訳だ。
 今回もこの体質は変わった訳ではない。ICカードを導入しても、磁気カード廃止時期を発表しないのである。
 ちなみに、記憶違いでなければ、香港の地下鉄/九廣鐵路は、 共通磁気カードをICカード開始後数ヶ月で廃止すると発表した。日本の私鉄は、今後も、できる限り磁気カードを続けたいようだ。出費が嵩もうが、どうせ、支払うのは乗客だ。それに、乗客の便利を考えて使い続けると言っておけばすむし。

 --- 参照 ---
(1) http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/subway/onsei/pasmo/reference1.html
(2) http://www.octopuscards.com/
(3) http://www.sony.co.jp/Products/felica/abt/dvs.html
(参考) 国土交通省 国土交通政策研究所 「東アジアにおける交通系ICカード導入に関する研究」 2005年
  http://www.mlit.go.jp/pri/houkoku/gaiyou/pdf/kkk52.pdf


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