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2000.3.2
 
 


アジアの都市の先端性…

 AC Nielsenの調査(99年11月発表)で、アジアのインターネットの普及状況が明らかになった。最高はニュージーランドの34%だが、シンガポールも32%に達した。

 良く知られているように、シンガポールはインターネット経済に向かって邁進しており、ブロード・バンドの通信インフラを積極的に構築中である。
 これに対して、「国策通信企業、シンガポール・ワンのサービス加入者は99年段階でまだ6万人しかいない。インフラ作りを急いでも魅力的なコンテンツが無ければ利用は進むまい。」と冷淡な評論家的な発言をする人がいる。しかし、普及率を見ればわかるように着々と社会は動いているのだ。
 
 トータルな普及率の伸びが急なことに目を奪われがちだが、競争力に直接響く、産業界のキーマン(プロフェッショナル、マネジャー、エクゼクティブ、ビジネスピープル)のインターネット利用度がどうなっているかも見ておくべきだ。
 同社が2月に発表した数字によれば、シンガポールは58%に達しているそうだ。どいうことは、ビジネスでは、インターネット利用は極く当たり前のもの、というよりは、不可欠な道具といえよう。学生でさえ54%に達している。
 香港は全体の普及率は16%だが、やはりキーマンは高く44%。学生が34%である。

 残念ながら、グローバル調査なのに日本が対象から除外されていて、比較はできない。しかし、日本の状況を見れば、このような普及が近未来に実現できる状況にあるとは思えない。

 99年にニューメディア開発協会がネット利用者数の日米比較をしたが、これによれば、「日本の商用ネット会員は1222.8万人。米国の約63%の普及レベルで、普及レベルの差は拡大している状況」とのことだ。
 E-ビジネスが立ちあがった米国と差が開くのは当然だが、シンガポールや香港の普及レベルにも達していないことに注意すべきだろう。シンガポールや香港はエレクトロニクス分野の製品開発のメッカである。こうしたビジネスにはインターネットは不可欠なのだ。今のままで普及が進まなければ、この分野では、日本の産業競争力低下が懸念される。


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