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2000.6.28
 
 


台湾の半導体産業が世界を牽引する時代の到来…

 99年から半導体産業が急激な膨張を始めた。

 半導体製造装置工業会(SEMI/SEAJ)の統計を見るとその動きが如実にわかる。設備投資動向を如実に示すウエハープロセス用の製造機器市場の伸張がすさまじい。98年の第4四半期は25.7億ドルだったのが、毎期増加し、一年後の99年第4四半期には倍以上の54億ドルに達した。これは、強烈な意志で生産能力向上を図る企業が存在していることを意味している。

 99年統計によれば、北米が31%、欧州が14%、日本が20%だ。新興勢力扱いされていた台湾は19%、韓国が9%、その他は7%(シンガポールやイスラエルが主体だろう。)である。ラフに言えば、この投資額の大きさが、今後の生産キャパシティのシェアを示すことになる。
 特に伸びが著しいのは台湾である。98年の第4四半期は日本の半額にも満たない2.35億ドルであったのが、99年第4四半期に日本より2割以上多い12.11億ドルとなった。僅か1年で5倍を超える投資水準だ。この勢いは一過性のものではなく、2000年に引き継がれている。

 今までは、日本以外のアジア諸国は、ウエハー工程後の組み立て担当と見られていたが、状況は一変した。しかも、台湾の投資は、最先端装置であり、設計ルールも今や先頭集団に合わせている。アジアの半導体産業の中心は、いまや日本企業ではなく、台湾企業に移行したといえよう。

 ちなみに、アセンブリやパッケージング用の99年製造機器市場の地域別シェアは、北米が10%、欧州が8%、日本が24%、台湾は21%、韓国が5%、その他は32%だ。特別な技術を要しないため分野だから、早くから工賃が安い地域に移行する性質のある分野だ。高密度パッケージング要求に応えるため、ハイテク化が進んでいるとはいえ、まだ極く一部でしかない。欧米と異なり、日本だけは、こうした労働集約型部分もできる限り国内に残す方針といえよう。日本企業は、今までと同じパターンで戦っていても競争力は保持可能と考えているのだろうか。


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