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2000.7.5
 
 


燃料電池自動車の浸透は見込み薄か…

 エネ研が「燃料電池自動車の開発・普及とそのインパクト」を発表した。(森田裕二・杉山 淳両氏が2000年6月21日に報告 http://eneken.ieej.or.jp/yousi/denchi.html)
 この報告に、燃料電池自動車の普及予測結果が示されている。固体高分子型燃料電池の大幅コストダウンが実現され、導入が進んだという前提でも、2010年度の日本国内普及台数は2万台程度で、浸透率は全乗用車保有台数の1%未満というもの。

 この数字では、今のまま研究を続けていても、環境問題解決施策としてはほとんど意味がないといえよう。普及させるためには、現行のガソリン車への重課税策か、燃料電池車への特別優遇策をとるしかないのだろうか。

 しかし、本当にそうだろうか。

 現状システムを前提とすれば、インフラ未整備な新システムは常に高コストである。導入に際しては困難な点ばかりだ。
 要は、これを突破できる技術かどうかが問われているのではないか。一般に、イノベーションは単純な1つの技術で簡単に起きるものではない。
 新しい技術を上手に生かす斬新な仕組みの考案が端緒になり、爆発的に普及していくものだ。燃料電池もそのようなものといえるのではないか。

 白金触媒量低減と高分子膜コスト削減が進むことは確実で、大量生産に向く素材であるから、利用可能な価格帯にできる可能性は高い。確かに、リフォーマー性能が上がったからといって、現行のガソリン車のコストに並ぶのは並大抵ではなかろう。
 しかし、原理的には、十分対応可能な筈なのだから、新しい仕組みさえ用意できれば商用化が困難とは思えない。


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