↑ トップ頁へ |
2000.7.9 |
|
|
方向を示さない「E-ビジネス戦略」…99年度決算が株主総会で承認され、2000年度からの事業戦略が次々と発表され始めた。各社とも、E-ビジネス、E-ソリューション、といった言葉が登場してきた。一見、大胆な戦略展開が始まるようにも見える。しかし、見かけの華やかさとは違い、中身を明らかにしないものが多い。発表資料だけでは、今までの事業をどう変えるのかさっぱりわからない。従って、システム・インテグレーション事業にインターネット利用技術を加えるだけではないか、と見る人さえいて、研究者・技術者には極めて評判が悪い。 すでに電子取引は始まっており、インターネット接続者の割合は時々刻々と増加している。「当社は、この市場を狙います。」との発表があったところで、何を始めようというのか皆目検討もつかない。「当社は老齢化社会に合わせて、高年齢層の人達を対象にしたビジネスを展開します。」と語るようなものだ。インベスターに語る目的だから、その程度で十分、ということかもしれないが、研究者・技術者は、明確な方向が提示されなければ動きようがない。なかには「E-ビジネスに必要な技術で、当社ができるものはすべて開発する。」と声高に語る人もいる。これでは戦略どころではなかろう。 少なくとも、ハード技術者にもわかるように、以下の領域での考え方を開示して欲しい。 (1) 取引技術 ・既存の仕組みとの互換性を図りながら、XML技術で先に走るつもりなのか? ・ リアルタイム取引技術では先端を目指すのか? (2) 業態 ・コンテンツそのものの管理に力を入れるのか? ・ホスト事業をメインにするのか、サポートが主体なのか? ・自社でマーケットプレースのような統合サービスを始めるつもりなのか? 日本企業が先を進んでいる筈がないのだから、力を発揮しようという分野をはっきりさせないと、技術では戦えなくなるのではないだろうか。 あるいは、顧客サポート型事業に徹し、自社技術で戦うことはあきらめるのだろうか。 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2004 RandDManagement.com |