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2000.9.15
 
 


パソコンの低価格化…

 家庭用デスクトップ・パソコンの低価格化が進んでいるとの風評がある。

 しかし、日経の店頭価格調査を見ている限り、廉価品に、市場の過半を占める勢いはないようだ。

 大手メーカーのカタログには記載されていても、低価格品は店頭に無いことが多い。安価モデル拡販に消極的な企業が多いのだ。店員に尋ねると、在庫は無いと言う。安価モデルは消費者向けではなく、業務用なのであろう。利幅が薄く、赤字になりかねないビジネスを避けている訳だ。

 なかには、早くからデスクトップから離れてラップトップに集中した企業もある。一方、デスクトップモデルを供給していても、液晶一体型やAV型に絞り込んでいる場合もある。

 こうした状況下で、「消費者は必ずしも低価格品を購入しないのだ。」という意見が登場しつつある。

 「高品質で安価な製品を消費者に供給する」競争を避けたい企業には有り難い風潮といえよう。

 確かに、コストで勝てない現実を覆い隠すには好都合な見方だが、消費財でコスト競争力がない場合は、長期的なポジション確保は無理ではないのか。
 下手をすれば、この動きは、市場拡大を遅らせる。本来はビジネス拡大の牽引車たる製品の伸びが今一歩であると、結局は大損することになりかねまい。
 さらに危険なのは、益々コスト競争力を低下させる方針になりかねない点だ。本格的に家庭浸透が始まった時に、こうした競争を避けて、薔薇色の将来が約束されるのだろうか。


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