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2000.11.11 |
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デジタル放送受信TV販売好調…デジタルTVが順調に売れている。2000年9月1日から11月1日までの2ヶ月間に、松下電器産業は36/32インチとチューナー(日立製作所、三菱電機、パイオニア、マスプロ電工、OEM製品含む)を5万6千台販売した模様だ。(http://biztech.nikkeibp.co.jp/wcs/show/leaf?CID=onair/biztech/speed/116657)同社は、11月下旬からは28インチも販売開始し、32/28インチ合計で月産4万台体制にすると発表している。 確かに売れてはいるが、この程度の台数では、収益を議論するレベルとはいえまい。高度な半導体を詰めこんだ製品であるから、LSIのコストをカバーするのは当面は難しかろう。しかし、デジタルTV普及に賭ける意志は固いようだ。 実際、TBS主催のメディアパレード2000で日本のAVメガ企業のトップがデジタルTV放送を家庭の中心に設定するとの講演を行った。将来の命運をデジタルTVに賭けるようだ。 iモードの浸透と同様、デジタルTVもネットワーク端末利用が爆発的に進むと期待しているようだ。NTTDoCoMoのDoPa・iモード連動から出発し、ハードデイスク内蔵のデジタル放送チューナー(STB)化により、電子番組表対応と放送内容蓄積に進むつもりだ。 (http://ne.nikkeibp.co.jp/DTV/2000/001101tbs1.html)CATV化されていない日本市場に最適なコンセプトだ。詳細は明らかではないが、放送局が中心になって管理するのだろう。この仕組みで収入確保でもしない限り、膨大な投資をして、無料放送したのでは、放送局の収支は悪化しかねない。当然の方策である。 着々とインフラ整備を進めているが、実はかなりのハイリスクの挑戦だ。今から始めて果たして間に合うか、という問題だ。この仕組みは現時点では「先端」だが、技術の進展は速いから早晩「旧式」になる。そうなる前に普及を進めないと、ペイしない。普及にはこれから莫大な投資が必要となる。遅れれば命取りになりかねない。 海外では、IP上でHDTV映像を送る技術開発にウエイトがおかれはじめた。光ファイバーが家庭に入れば、ギガ容量通信さえ可能となる。それを見越して、先端技術は、すでにギガ帯ストリーミング方法が対象となっている。 未だに64キロという容量で一時的な接続状態、しかも極く僅かの家庭にしか普及していない日本からすれば、夢にしか見えない数字だ。しかし、遅れているからこそ、一挙に光ファイバー敷設へと進みやすい。そうなると、「放送」インフラはマイナーな存在になりかねまい。 日本企業のトップは「放送」の役割は残ると語っているが、プログラム自体は残っても、先進国では光ケーブル配信が主流になる可能性は否定できまい。 メーカーの視点から見れば、放送局側のデジタル送信施設への巨大投資が期待できるから、デジタルTV「放送」重視は、極く自然な戦略だが、将来を考えると妥当かどうかはっきりしないのである。安価なHDTV映像ストリーミング方法が登場し、巨大ファイル送信も簡単になれば、巨大設備保持者は危機に直面しかねない。 ともあれ、日本企業は「賭け」たのである。 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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