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2002.9.1
 
 


縮小するパソコン国内市場…

 2002年夏、日本電気大型店協会加盟店の販売額が大幅に落ち込んている。エアコンとパソコンの、2大商品が特に厳しい。

 パソコンは、この1年間、対前年度売上減2桁%が続いており、回復の兆しはない。ウインドウズXPが登場し、ADSL接続数も急増しているが、パソコン売上増にはほとんど寄与していない。
   パソコン売上対前年度比 (「NEBA」速報値)
   2002年 7月 −32% ←3割を越してしまい、不調そのもの。
   2002年 6月 −28%
   2002年 5月 −14% ←減少が1割に近づき、下げ止まり近し、との期待感が生まれる。
   2002年 4月 −17% ←減少が2割以下になった。
   2002年 3月 −21%
   2002年 2月 −20%
   2002年 1月 −29%
   2001年12月 −21%
   2001年11月 −17%
   2001年10月 −36%
   2001年 9月 −16%
   2001年 8月 −25%


 協会会長の発言が、業界状況を示している。2002年の「4月、5月と回復基調でしたが、・・夏モデルで・・値上げをしたことから、需要が急速に落ち込みました。・・作り手側と売り手側の論理で、この夏商戦を動いてしまったと言うことが大きなしっぺ返しをくらったということではないでしょうか。」(http://www.neba.gr.jp/interview/kaichou/interview%202002%2008.htm)

 とりたてて新機能もない商品なら、新モデルは安価になる筈、というのが一般認識である。従って、値上げすれば、一時的な価格高騰現象と見なされる。ほとんどの消費者にとって、パソコンを急いで買う必要などないから、価格が下がるまで待とう、となるのは極く自然な対応だ。

 そもそも、パソコンは目新しい商品ではない。従って、「すぐに欲しい」と感じさせるもの以外、新モデルといってもコモディティ商品と変わらない。値下げしない限り売れ行き不振に陥るのは当然である。
 このまま市場縮小が続くと、新モデル購入の意味無し、との認識さえ広まりかねない。

 デフレ時代の値上げは、市場を潰す可能性さえあるから避けるのが普通だ。しかし、メーカーも小売も収益が逼迫しており、値上げなくしては経営が成り立たないのだろう。
 ついに、悪循環が始まったようだ。


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