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2003.3.28 |
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電子部品企業復活の鍵…モノつくりのプロとして、QCDで競争力向上に励み、世界を席巻してきた日本の電子部品企業の業績不振が目立つ。ITバブル破裂後の市場低迷と、中国で生産する新興企業による価格攻勢で、収益は下落一途だ。一般論からいえば、市場が持ち直し、需給バランスが回復すれば、収益は改善する。 しかし、部品業界は生産能力の大幅増強を済ませてしまった。そのため、多少の需要増では需給ギャップが埋まられない。再度、ケータイ並の大型新商品市場が立ちあがらない限り、V字型の業績回復見込みはない。 そのため、大半の技術者は高付加価値製品開発に注力している。 ・・・安価な中国製部品と戦うのだから、高付加価値狙いは当然と考えるのだろうが、成功シナリオがあるだろうか。 要素技術の力量は圧倒的だから、先端領域や特殊分野に注力すれば、売上は小さいが、高収益なビジネスは実現できるだろう。 しかし、安価品へ力を割けなくなるから、コモディティ市場では競争力を失なう。そうなれば、早晩、高効率な大量生産体制を維持できなくなり、企業総体としては縮小再生産の道に入り込む。 一端、生産基盤を失えば、復活は難しい。せっかく次世代商品向け部品を先行開発しても、業界リーダーには戻れなくなる。 つまり、単純な「高付加価値製品開発」路線では、没落しかねないのである。 と言って、中国で生産する新興企業との競争を考えたところで、せいぜい知的所有権による戦いくらいしか思いつかないかもしれない。 もしそうなら、早急に、技術マネジメント力を向上させる必要があろう。 電子部品企業が持つ優れた技術を生かせば、飛躍のチャンスはいくらでもある。例えば、業界構造変化を誘起するような実装/品質保証技術を開発し、その技術を生かせる新しい業務プロセスを導入すれば、一躍業界のリーダーになれる筈だ。 そもそも、電子部品企業が不調なのは、顧客との取引でバーゲニングパワーを失ったからだ。EMSのリーダー企業は、膨大な購入量を武器に、低価格納入を実現してきた。そのため、シェア維持のために電子部品企業は低マージン化を余儀なくされたのである。 このことは、メリットが生まれるなら、EMS企業は最安値部品を購入する必要はない、ともいえる。 的確な技術戦略と、事業構想力があれば、危機は一転してチャンスに変わる。知恵で戦う時代に突入したのである。 [EMS企業大手とは、Flextronics、Solectron、Celestica等を指す。] 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
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