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2003.4.13
 
 


SARSで見えてくる厚生労働省の体質…

 香港発の飛行機搭乗者は全員検温される。SARSの広がりはここまで深刻化している。(2003年4月12日South China Morning Post トップニュース)

 ところが、日本政府はSARSを深刻な問題にしたくないようだ。

 2003年4月4日、毎日新聞が、日本の厚生労働省がWHOに伝えているSARS患者数は「診断確定値」だ、と指摘した。(http://www.mainichi.co.jp/news/article/200304/04m/100.html)
 疑い例(suspect case)や可能性例(probable case)は報告していないという。
 ところが、WHOがSARS患者数として発表している数字とは、米国はsuspect、他はprobable caseなのだ。ということは、海外の定義から見れば、日本で患者が発生していても、報告上は患者ゼロになる訳だ。

 厚生労働省は、どのような目的で、わざわざこのようなことをするのだろうか。

 さらに驚かされたのは、突然の方針変更である。4月11日に、発生地域から帰国後10日以内に発熱や肺炎を起こした「可能性例」を報告することにしたという。・・・おそらく、WHOから指摘されたのだろう。(http://www.asahi.com/special/sars/TKY200304110254.html)

 日本政府は、できる限り、騒ぎを抑えたいのだろう。
 そう見ると、メトロポールホテルに宿泊した日本人への対応姿勢も理解できる。・・・こちらも、信じ難い対応だ。

 すでに、Timeのような一般メディアで、SARS発生源「superspreader」がメトロポールホテル9階に宿泊した医者だ、との記事が掲載されている。同じ階の人達が感染しているのだから、ホテルに宿泊した日本人にも感染の可能性がある、と考えざるを得ない。 (http://www.time.com/time/magazine/article/0,9171,1101030414-441218-2,00.html)
 董建華行政長官はすでに3月27日にこうした危険性を指摘している。(http://www.shengyang.cn.emb-japan.go.jp/jp/hayien030327-2.htm)
 さらに、香港特別行政区政府衛生署は、「平成15年2月18日から同年3月3日の間に宿泊した本邦在住者が77名いた」と厚生労働省に連絡した。
 これに対して、厚生労働省は、宿泊者から「問い合わせがありましたら必要な助言等」を提供するように、との通達を出しただけである。(http://www.mhlw.go.jp/topics/2003/03/tp0318-1b11.html)

 77名もいれば、エレベーターで「superspreader」と接した人が存在する可能性が高いと見るべきではないだろうか。
 防疫の責任感があるなら、宿泊者すべてに連絡をつけ、国内でどう過ごしているか、調べるのが当たり前と思う。ところが、そのような感覚は皆無のようだ。発症者がでたら、その時、考えるつもりなのだろう。


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