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2005.3.22
 
 


外郭団体社会…

 ドグマ的な政治運動を批判し続けてきた方が発行しているミニコミ紙が到着した。(1)

 と言っても、政治的パンフレットの類ではない。
 中学時代(1939年頃)の話、現役で仕事をされていた頃の記録(連載物語)、最近の日誌の3部作が掲載されているだけ。
 一読者としては、1970〜80代の動きを振り返ることができるので、連載物語を一番の楽しみにしている。

 今回の話には、「○○○高齢者退職者会」という聞きなれない団体名が登場した。

 この退職者会の名誉会長は「○○○」という組織の代表者である。当然ながら、「○○○高齢者退職者会」は「○○○」の外郭団体なのである。

 そして、「○○○」から「○○○高齢者退職者会」へ、2005年度分として、80万円の補助金が支出されるという。

 尚、この退職者会の年会費は8,000円である。

 これだけの情報でどう感じるだろうか。

 退職者に対してある程度の援助は当然だ、と考える人もいるだろうし、補助金は無駄だと感じる人もあろう。

 もう少し情報を増やそう。

 「○○○高齢者退職者会」の会員数は激減しているそうで、計上されている会費収入(予算)は28万円。つまり会員数は35人だ。
 前年度は41人だった。前年度の補助金も年80万円である。
 これが妥当な補助金と言えるだろうか。

 ・・・と書くと、わかりきったことを書くなと言われそうである。
 役所の組織とはそんなものだ、と見ている人は多い。

 この見方は間違いである。「○○○」は役所関係の組織ではないからだ。労働組合なのだ。しかも、都民がよく知っている職場の組織である。

 言うまでもないが、退職者が35人しかいないような小さな組織ではない。

 想像がつくと思うが、この外郭団体の顧問には、かつての執行委員長が就任している。
 委員長時代には、「日常不断の思想闘争を強める必要」があると語っていた、ドグマ的な政治運動家である。さまざまな癒着を糾弾してきた側と言ってよいだろう。

 ところが、糾弾する組織の実像を見れば、実態はたいしてかわらないのである。

 こうした組織が蔓延しているのが、日本社会の現実である。

 --- 参照 ---
(1) 「おとづれ」51号 2005年春
 

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