↑ トップ頁へ |
2006.2.9 |
|
|
反面教師役企業の話…2006年3月期に営業赤字になる巨大日本企業は例外的存在だと思われる。その例外中の例外が、日本航空である。 このところ、続けざまに、お会いした方々が、皆、この企業の話をされたので驚いた。いずれも、反面教師としてである。 常識では理解しがたい状況に陥っている、と見ているようだ。 おそらく、多くのビジネスマンがそんな話をしているのだろう。日本航空好きな人も多いから、復活を期待しているのかもしれないが、今のままなら、お先真っ暗な感じがする。 というのは、2005年11月の赤字予測の発表を思い出すからである。 この産業は、もともと、薄利ビジネスである。その割には、オーバーヘッドが結構嵩んでいるから不思議だが。 産業全体でみれば、6割近い固定費が圧し掛かっていると言われてきた。その上、このところ燃料代金が高騰しているから、おそらく経費の4分の1程度には達しただろう。そして、重い労務費。 しかも、運行−整備−離着陸・空港−旅客サービス−販売・代理店と労働集約的な業務が繋がる。傾注すべき点は事業方針で大きく変わるから、旅客数が多いだけの水脹れ事業では、戦略的な動きは難しかろう。 調整型経営者だと、「危機だ 皆で頑張ろう」という方向感なき方針が出されかねない。 それでは悪化の一途だ。 世界でみれば、低コストオペレーションに徹する企業が飛躍している。労働生産性が桁違いに高い企業が勝ち続けているだけのことである。 高コスト体質の日本航空が、そのような競争環境で利益を出すためには、生半可な改革では無理と考えるのが常識ではないだろうか。 はっきり言えば、現在のビジネススタイルを続ける限り、構造不況業種に近いということである。 どんな改革を進めているのかは知らないが、ともかく期首の通期営業利益予想数字は立派な黒字。 外部からみれば、「ふ〜ん 本当かいな。」としか言いようがあるまい。
2005年7月の話である。 そして、2005年11月には突如修正が発表される。 「燃油費総額は、前回予想対比400億円増」・・・「収入は前回予想を下回る見込みです。 」 営業利益は600億円から、▲340億円へと変化。
日本も含めて、アジア地区の需要が回復してきたのだから、当然だろう。 要するに、日本航空の期首の予想とは、旅客数を大きく見積もっただけのことではないのか。外部から見れば、恣意的な数字で、利益を膨らませたようにも映る。 この企業の一番の問題は、この調子で仕事を進める体質のような気がする。 --- 参照 --- (1) http://www.jal.com/ja/press/0000206/206.html http://www.jal.com/ja/press/0000333/333.html http://www.jal.com/ja/press/0000426/426.html (2) http://www.ana.co.jp/pr/06-0103/index06-017.html http://www.ana.co.jp/pr/05-1012/index05-153.html http://www.ana.co.jp/pr/05-0709/05-107.html http://www.ana.co.jp/pr/05-0406/05-069.html 侏儒の言葉の目次へ>>> トップ頁へ>>> |
|
(C) 1999-2006 RandDManagement.com |