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2006.10.11
 
 


短小から長大へ…

 その昔、数インチの白黒ブラウン管を使ったポータブルテレビが登場して人気を博したことがある。もちろん、日本企業の商品。
 電池駆動の超小型カセットプレーヤーで、街中で音楽を聴く習慣を生み出したのも、日本企業だった。
 イノベーティブ商品は日本の十八番と呼ばれるのも当然だった。
 そんな商品開発のキーワードは軽薄短小。
 ところが、最近は、そんな商品はたいして珍しくもなくなってしまい、耳目を集めないようだ。
 CEATEC2006(1) は連日数万人が来場して大盛況だが、興味の対象は、軽薄短小商品ではない。

 その典型がテレビ。
 数年前から、高精度大型画面競争に入り、プラズマハイビジョンは103inch(2)、リアプロジェクションは110inch(3) と、100inch を超えるようになった。

 流石にここまで大きくなると、今までのTVのように、電器店が家庭に運んでくるという商売でやっていけないかもしれない。日本市場と米国市場が違ってくるのかも知れない。

 などと考えていたら、モバイルパソコンで、新しい試みが米国で行われているとの話を聞いた。
 モバイルパソコンは人気商品である。と言うことで、機能満載の軽薄短小製品(4)も登場したが、A5の大きさで7.2inch(640x480) 。これでは、流石に小さすぎて使いにくかったようで、生産中止になってしまった。現在は、モバイルと言えば、10inch 程度のB5型が定番になっている。日本では、持続使用時間が長くて軽量・堅牢なパソコンに人気があるようだ。

 ところが、米国での試用は全く逆で、大型パソコン(重さ18 pounds)なのである。

 早速、当該ウエブを眺めた。(5)

 う〜む。

 大画面パソコンを膝上において、電車の中で使用している。これを、冗談半分のイベントと見なすこともできるが、瓢箪から駒もあり得るかも知れない。パソコンはすでにエンタテインメント・センターの様相を帯びており、室外で大画面を楽しむシーンもありえそうな気もする。
 考えて見れば、大きいとはいえ、鞄とたいしてかわらないサイズである。紙を運ぶ機能のために鞄を利用していた人にとっては、鞄をパソコンに変えても問題は無い。
 米国発の大画面文化が生まれる可能性もある。

 とはいえ、流石に、スターバックス内では周囲の人は感心と言うより、単に驚いただけだったようだが。
 唯一、関心を示さなかったのは日本人のツーリストというのが面白い。

 “The only people seemingly unfazed by having the machine in their presence were a group of Japanese tourists, surely accustomed to the sight of kids in their homeland lugging around 40 pounders shaped like Hello Kitty.”

 ともあれ、商品トレンドとして、長大への流れもでてきたような気がする。

 --- 参照 ---
(1) http://www.ceatec.com/2006/ja/visitor/
(2) http://panasonic.co.jp/corp/news/official.data/data.dir/jn060105-3/jn060105-3.html
(3) http://it.nikkei.co.jp/expo/special/ceatec2006.aspx?n=MMIT0s002003102006
(4) http://www.jvc-victor.co.jp/interlink/index_ce.html
(5) http://laptopmag.com/Features/Attack-of-the-20-inch-Notebook.htm20 inch


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